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NTTのサービス総合工事とはどんな工事?

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どーも、ノラです^^

NTTのフレッツ光を開通する際に、
工事をする作業員さんたちが「サービス総合工事が~」や「サ総工事は~」などと
話してるのを耳にしたこと無いかしら?

通信関係の工事に関わってる人でもNTT以外だと、このサービス総合工事や
サ総工事って言葉はあまり聞き馴染みがないかもしれないわね。

実はサービス総合工事はNTT用語みたいなもので、NTTの電話や光回線などの
工事を請け負っている人たちの間ではよく使われる言葉みたいよ。
(サ総工事はサービス総合工事の略)

じゃあサービス総合工事って具体的にどういった工事なのか、私たちがNTTの電話や
光回線を利用する場合にも関係するのかどうかなど具体的に説明していくわね。

     
   

NTTのサービス総合工事とは

サービス総合工事と言うと大規模な工事を想像しちゃうかもしれないけど、簡単に言うと
電話や光回線などNTTのサービスを使えるようにするための工事のことよ。

もっと具体的に言うと、まだNTTのサービスが利用できない地域に
新たに電話線や光ケーブルを敷設したりする工事のことね。

他にも電話や光回線を開通させやすいように、
各建物の近くに電信柱を新しく建てたりするのもサービス総合工事に含まれるわ。

新築の家に電話や光回線を開通させるのに工事を行うけど、
この電話や光回線の開通工事も大きく見るとサービス総合工事に含まれるの。

さらに細かいところでは、オフィスで社内ネットワークを構築したりするけど、
その社内ネットワークを構築するための工事もサービス総合工事になるのよ。

電話線や光ケーブルを敷設したり電信柱を建てたりといったこと地域全体に関わる
工事から個別の開通工事まで全てサービス総合工事ということになるわけね。

サービス総合工事は単価契約工事

サービス総合工事は工事を請け負う側から見ると「単価契約工事」ということになるわ。

NTT以外で通信関係の工事を請け負っている人からすると、
サービス総合工事よりも単価契約工事の方が聞き馴染みがあるかもしれないわね。

単価契約は公共事業で使われることが多い契約形態なんだけど、
ごくごく簡単に言うと「1工事当たりの単価だけ決める契約」のことよ。

例えばNTTの光回線の開通工事って、
1か月間に何軒ぐらいの申し込みがあるかなんて分からないわよね。

申し込みが多い月もあれば少ない月もあるから、NTTは工事業者との間で
「1工事当たりいくらで、1か月に何軒工事をする」といった契約は結べないの。

そこで1工事当たりの単価だけ決めておいて、1か月間など一定期間の施工数に
応じてNTTは工事業者に対して費用を支払うようにしてるのよ。

光回線の開通工事費が決まっているのは単価契約工事だから

フレッツ光の開通工事費は
 ・戸建て・・・18,000円
 ・集合住宅・・・15,000円
と決まってて、この金額はいつ開通工事を行っても基本的に変わらないわ。
(キャンペーンなどで安くなることはある)

本来は旅行会社や引っ越し業者みたいに、申し込みが多い月は開通工事費を高め、
少ない月は安めに設定した方がNTTとして工事業者としても儲かる可能性が高いの。

でも開通工事に費用がいくらかかるか分からないと、
利用者は光回線を申し込みにくくなるかもしれないわ。

そこで開通工事を含めたサービス総合工事を単価契約にすることで、
工事にかかる費用を分かりやすくしてるじゃないかしら。

NTTのサービス総合工事は誰でもできるわけじゃない

NTTのサービス総合工事は誰でも請け負えるわけじゃなくて、全国で
 ・日本コムシス
 ・TOSYS
 ・つうけん
 ・NDS
 ・北陸電話工事
 ・SYSKEN
 ・協和エクシオ
 ・大和電設工業
 ・シーキューブ
 ・日本電通
 ・西部電気工業
 ・ミライト
 ・ミライト・テクノロジーズ
 ・TTK
 ・ソルコム
 ・四国通建
の16社しかサービス総合工事を受注できないの。

ちなみに、「日本コムシス」から「SYSKEN」までが「コムシスJV」、
「協和エクシオ」から「西部電気工業」までが「エクシオJV」、
「ミライト」以下が「ミライトJV」という共同企業体を構成してるわ。

国や地方自治体が行う公共事業は入札だけど、NTTのような私企業が行う事業は
随意契約だから受注できる業者が限られちゃうのね。

この16社がそのままサービス総合工事を行うこともあるし、
16社の下請け業者が工事を行うこともあるわ。

先の16社と日常的に取引のある工事業者なら、
そのうちNTTのサービス総合工事を任されることもあるかもしれないわね。

ただし、光回線の開通工事などサービス総合工事を行ってもらいたい業者を
利用者側が選ぶことはできないわよ。

エリアごとにサービス総合工事を担当する業者が決まっている

NTTの収容局をいくつか束ねた「サービス総合工事エリア」というものがあって、
そのエリアごとに工事を担当する業者が決まってるのよ。

例えば「TOSYS」という業者は、NTT東日本が所管するエリアで
なおかつ長野や新潟を中心にサービス総合工事を行ってるわ。

「SYSKEN」はNTT西日本所管エリアで、
熊本を中心に九州地区のサービス総合工事を担当してるの。

中には「日本シスコム」とか「協和エクシオ」のように、
NTT東日本・NTT西日本を跨ぐエリアを担当してる業者もあるのね。

だから、利用者は工事業者を選べないどころか、住んでる地域によってNTTの
サービス総合工事を請け負う業者はほとんど決まってるってことになるわけよ。

自前工事も可能だが・・・

NTTのサービス総合工事を行う業者を利用者は選べないと言ったけど、
厳密に言うと選べないこともないのよ。

一応NTTでは「自前工事」が認められてて、利用者が先の16社以外から業者を
選んで電話や光回線などの開通工事をしてもらうこともできるようになってるわ。

自前工事だと工事費を安く抑えることもできるんだけど、
実際には自前工事を行うのはかなりハードルが高いの。

自前工事が行える業者にはいくつか条件があって、
1つは「電気通信工事業の許可を受けている」こと。

この条件は別に厳しくなくて、そもそも電気通信工事業の許可を受けてない業者が
通信関係の工事を行うことは法律で禁止されてるの。

問題は次の「経営審査事項の最新の評点が1000点以上の会社であること」で、
中小企業が経営審査事項の評点で1000点以上を獲得するのはかなり難しいわ。

さらに「NTTが業務委託している会社」であるという条件もあるから、
必然的に選べる工事業者は限られるの。

これらの条件をクリアしてて、
なおかつ自分が住んでいる地域で工事ができる業者を探すだけでも大変よ。

それなら最初から工事業者の選定はNTTに任せた方が手続きもスムーズだし、
サービス総合工事が完了するのも早いってなっちゃうわけね。

     
   

サービス総合工事にかかる費用を利用者は負担しなくて良い?

サービス総合工事の内容によっては、サービスの利用者がサービス総合工事にかかる
費用を負担しなくても良いケースがあるのよ。

自宅に電話や光回線などを開通させたり、オフィスに社内ネットワークを
構築させたりする工事は、さすがに利用者が費用を負担することになるわ。

でも新たに電話線や光ケーブルを敷設したり電信柱を建てたりする場合には、
それを利用するとしても利用者は工事にかかる費用は負担しなくても良いのよ。

通信サービスには「責任分界点」という、ここからまではNTTの責任で整備する、
ここからは利用者の責任で整備する境界線が決まってるわ。

電話や光回線の場合は、戸建てだと壁に設置されてる保安器、
集合住宅だと配線盤が設置されてるMDFが責任分界点となるの。

保安器やMDFから電信柱側についてはNTTの責任で整備する必要があるから、
電話線や光ケーブルの敷設、電信柱の新設では利用者は費用を負担しなくて
良いってわけ。

この責任分界点はNTTに限ったものじゃなくて、NTT以外の通信サービスを
利用してる場合でも責任分界点に対する考え方は基本的に同じよ。

電話やインターネットが繋がらなくなった場合も責任分界点は重要

通信サービスの責任分界点は、サービス総合工事の際だけでなく、
電話やインターネットが繋がらなくなった場合でも重要になるわ。

例えば電話が繋がらなくなった場合、
電話機の故障や室内配線の問題は責任分界点より内側になるから利用者の
責任で買い替えや修理をしないといけないのよ。
(当然費用もかかる)

でも電信柱と保安器を繋ぐ電話線や電信柱に通ってる電話線の問題は、
責任分界点より外側だからNTTなど通信事業者に責任を持って対応してもらうことに
なるわね。
(費用は発生しない)

責任分界点を理解しておけば、万が一電話や光回線が繋がらなくなった時でも、
どこに連絡すれば良いのか冷静に判断できるわ。

サービス総合工事にかかる費用を利用者が負担するケースもある

責任分界点より外側のサービス総合工事にかかる費用は、
基本的に利用者が負担する必要は無いわ。

だけど、場合によっては責任分界点よりの外側のサービス総合工事なのに利用者が
その費用を負担しないといけなくなることもあるのよね。

例えば自宅が人里離れたところにポツンと1軒だけある場合は、電話線や
光ケーブルを敷設、電信柱の新設にかかる費用を利用者も負担しないといけないの。

要するに、自分の家に電話や光回線を引くためだけにサービス総合工事が行われる
場合は、責任分界点の外側であっても利用者に負担が求められることがあるってわけ。

ただし今後自宅のある地域に住宅が建つ可能性があったり、
自分の家を経由してまだ先に電話線や光ケーブルを延伸させるといった場合は
費用負担を求められないわよ。

サービス総合工事の費用を利用者に負担させるかどうかは
NTTの判断によるところだから、電信柱を新たに建てるお願いをする場合は
一応費用負担する覚悟をしておいた方が良いかもしれないわね。
(「費用負担無しならラッキー」ぐらいに考えておく)

SO工事って何?

フレッツ光の開通工事を申し込んだ時に、
サービス総合工事とは別に「SO工事」って言葉を耳にすることもあるわ。

SO工事は「サービスオーダー(Service Order)工事」の略で、
文字通り「オーダー(指示書)に基づいて行う工事」のことよ。

フレッツ光で言うと、光回線を開通させるための「開通工事」がSO工事に当たるわね。

SO工事もサービス総合工事に含まれるんだけど、
フレッツ光の利用者としてはサービス総合工事よりもSO工事の方が身近だわ。

SO工事の具体的な内容

SO工事=光回線の開通工事と言われても、
具体的にどういったことをするのか分からないってこともあるかもしれないわ。

そこでSO工事の内容について、
戸建ての場合と集合住宅の場合に分けて詳しく説明するわね。

SO工事の大まかな流れとしては、最寄りの電信柱から光ケーブルを室内に引き込み
室内配線を行って光コンセントを設置するの。

そして光コンセントと光回線の終端装置であるONUをケーブルで繋ぎ、最後に
工事業者が持参したパソコンを使って光回線の開通を確認してSO工事は完了よ。

戸建てでも集合住宅でもこの大まかな流れは同じなんだけど、
細かい部分で違ったりするからもう少し詳しく見ていきましょう。

戸建てのSO工事

戸建てにおけるSO工事は、
まず最寄りの電信柱から室内に光ケーブルを引き込むことになるわ。

この際に問題になるのが「どうやって光ケーブルを室内に引き込むか」で、
固定電話の配管に光ケーブルを通すのが一般的ね。

ただ固定電話の配管に既に他の配線が通ってて、
光ケーブルを通せるだけの物理的なスペースが無いってこともあるのよ。

また電信柱と光ケーブルを引き込みたい部屋との位置関係によっては、
固定電話の配管が使えないってことも考えられるの。
(引き込みたい部屋の反対側に電信柱があるなど)

そういった場合はエアコンのダクト穴を利用して光ケーブルを通すこともあるし、
エアコンのダクト穴も使えないとなると壁に穴を開けて光ケーブルを通すことになるわ。

穴と言っても直径1cmほどの小さなもので、
防水処理もしてくれて穴から雨水などが室内に入らないようになってるのよ。

持ち家だと壁に穴を開けるかどうかは自分で判断できるけど、
借家の場合は壁に穴を開けるには大家さんの許可が必要となるわ。

当日大家さんの許可が取れないとSO工事はできなくなるから、借家に光回線を
開通させる場合は壁に穴を開ける可能性も含めて大家さんに許可を取っておきましょう。

光コンセントとONUの設置

光ケーブルを引き込んだら室内配線をするんだけど、固定電話の配管を使った場合は
壁の中や屋根裏に配線されるからケーブルは見えないわ。

エアコンのダクト穴や壁に開けた穴を通した場合は、壁の中や屋根裏に配線するのは
難しくて、壁にケーブルを這わせることになる可能性が高いわね。

モールなどケーブルをカバーするものを取り付けてくれるけど、
壁の中や屋根裏に配線する場合に比べてケーブルが目立っちゃうのは仕方ないわよ。

室内配線をしたら壁に光コンセントを設置して、光コンセントとONUをケーブルで繋ぎ、
最後に光回線の開通を確認して戸建てのSO工事は完了ね。

集合住宅のSO工事

マンションなどの集合住宅では、
既に共用部であるMDFに光ケーブルが引き込まれてることもあるから、
最寄りの電信柱から光ケーブルを引き込む作業が省かれることも多いわ。

MDFで分岐させた光ケーブルを自分の部屋に引き込むんだけど、
戸建てのエアコンのダクト穴や壁に開けた穴を通すケースは少なくて、
大体は固定電話の配管を利用することになるわね。

後は室内の壁に光コンセントを設置してONUを繋ぎ、工事業者が持参したパソコンを
使って光回線の開通を確認すれば集合住宅のSO工事は完了よ。

VDSL方式やLAN配線方式だと無派遣工事になることも

集合住宅のMDFから各部屋に光ケーブルを分配するのに
 ・光配線方式
 ・VDSL方式
 ・LAN配線方式
の3つの方式があるわ。

光配線方式だと戸建てのSO工事と同じように立ち会いが必要になるけど、
VDSL方式やLAN配線方式だと無派遣工事になって立ち会いが不要になることも
あるのよ。

光配線方式は、MDFで分岐させた光ケーブルを固定電話の配管などを使って
そのまま各部屋まで延伸させるの。

部屋に光ケーブルを引き込んで光コンセントを設置しないといけないから、
ほぼ間違いなく派遣工事となって立ち会いが必要となるわ。

VDSL方式はMDFで光ケーブルを分岐させて、
既存の固定電話回線を使って各部屋に光回線を分配してるの。

部屋に光ケーブルを引き込む必要も光コンセントを設置する必要も無いから、
立ち会い不要の無派遣工事になる可能性が高いのね。

ちなみにVDSL方式では、事前に終端装置であるVDSLモデムが送られてきて、
部屋に光回線が開通したら自分で固定電話用のモジュラージャックとVDSLモデムを
繋ぐことになるのよ。

LAN配線方式はMDFで光ケーブルを分岐させて、
各部屋へはLANケーブルを使って光回線を分配することになるの。

LAN配線方式を採用している集合住宅では、大抵MDFと各部屋は
LANケーブルで繋がってるから、SO工事は無派遣となる可能性が高いわね。
(繋がってない場合は別途配線工事が必要)

ちなみにLAN配線方式ではMDFに集合型の終端装置が設置されるから、
各部屋にはONUやVDSLモデムのような終端装置は設置されないわ。

まとめ

NTTのサービス総合工事は、NTTの固定電話や光回線のサービスを
利用できるようにするために行われる工事のことよ。

電話線や光ケーブルを敷設したり、電信柱を新たに建てたりといった
大掛かりなものから、自宅でのNTTの固定電話サービスやフレッツ光の開通工事も
含めてサービス総合工事なの。

サービス総合工事にかかる費用には利用者が負担するものとしないものがあって、
利用者が負担するのは固定電話サービスやフレッツ光の開通工事にかかる費用ね。

電話線・光ケーブルの敷設や電信柱の新設は、利用者がお願いしたとしても、
NTTの責任で行われる工事だから費用は利用者が負担しなくても良いのよ。

固定電話や光回線など通信サービスの開通工事を指すSO工事の方が身近で、
フレッツ光を申し込んだ時には実際にSO工事という言葉を耳にする可能性もあるわ。

だからどちらかと言うと、サービス総合工事よりも狭義で身近なSO工事の方を
覚えておいた方が良いかもしれないわね。

   
   

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