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グルニエに階段が付けられないって本当?

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こんにちは、ノラです^^

家を新築したり、リフォームするのに「グルニエ」を作るかどうかで迷ってるなんて
ケースもあるんじゃないかしら。

建築関係に詳しくない人からすると「グルニエ?何それ美味しいの?」状態だと思うけど、
敷地面積が限られてる日本の住宅ではグルニエの有無は結構重要だったりするわ。

そこで、そもそもグルニエとは何なのか、家にグルニエを作る際に注意すること、
グルニエを作るメリット・デメリットなどグルニエについて詳しく見ていくわね。

     
   

グルニエは小屋裏収納のこと

グルニエはフランス語の「小屋裏」という意味の言葉で、
建築業界では「小屋裏収納」とか「屋根裏収納」のことをグルニエと言うのよ。

日本は国土が狭いわりに人口が多く、
誰しもが広い土地に大邸宅を建てるってことができないわ。

また建ぺい率のこともあって、
限られた広さの土地に限られた大きさの家を建てざるをえないのよねぇ。

家を建てる際にはやっぱり居住スペースを優先するから、
どうしても収納スペースが足りなくなっちゃうの。

グルニエがあれば居住スペースを犠牲にすることなく十分な収納スペースが確保
できるので、家の大きさが限られる日本ではグルニエの有無が重要になるってわけ。

グルニエを居住スペースにすることも可能

一般的にグルニエは収納スペースなんだけど、
環境を整えれば居住スペースとすることもできなくないわ。

通常の住宅は屋根裏に断熱材を敷き詰めることで、
屋根を通して室内に入ってくる日光の熱を居住スペースに伝わらないようにしてるの。

グルニエを作る場合は屋根裏断熱ができないから、屋根材の内側に断熱材を葺いたり、
屋根の内側に断熱材を張り付ける天井断熱になるのよ。

天井断熱で多少の熱気は抑えられるものの、
通常の居住スペースに比べるとグルニエは温度と湿度が高くなっちゃうのよね。

だから本来はグルニエを居住スペースにすることは難しいんだけど、
グルニエに2か所以上窓を設置して換気と採光ができるようにすることで
グルニエを居住スペースにすることができるわ。

ただ、詳しくは後述するけど、収納スペースであるグルニエの設置には厳しい条件が
あって、居住スペースにするのはかなり難しいんだけどね。

グルニエとロフトの違いは?

屋根裏にある居住にも収納にも使えるスペースと言えば、
「ロフト」を思い浮かべる人も多いんじゃないかしら。

グルニエもロフトも建築基準法では高さや面積などの条件が同じなため、
グルニエとロフトは同じものと勘違いしてるケースが結構多いのよね。

でもグルニエとロフトには明確な違いがあって、その1つが「階段」なの。

グルニエには固定式の階段を付けることはできなくて、
取り外し可能な梯子か折りたためる階段でないとダメなのよ。

一方ロフトは階段に関する条件は特に無く、
固定式の階段でも良いし取り外せたり折りたためたりする梯子や階段でも問題ないわ。

ちなみに、
自治体によってはグルニエに固定式の階段を付けてもOKだったりするのよね。

ただグルニエに固定式の階段を付けると、固定式の階段部分が建物の施工面積に
含まれるため、固定資産税が高くなることがあるから注意が必要よ。

もう1つの違いは「本来の居住スペースと別か同一か」ってこと。

グルニエは屋根裏だから、グルニエの入口が設置されてる本来の居住スペースである
部屋とは別の空間ということになるのね。

対してロフトは、部屋の天井を少し高くして一部に床(天井)となる部分を設置してるから、
本来の居住スペースである部屋と同じ空間にあるわ。

だから部屋から見て様子が確認できるのがロフトで、
確認できないのがグルニエという認識で良いんじゃないかしら。

グルニエと下屋収納の違い

小屋裏収納や屋根裏収納を意味するグルニエと似たようなもので、
「下屋裏収納」というものもあるの。

下屋裏収納って言うのは、
2階建て住居の1階の屋根部分を収納スペースにすることなのよ。

一般的な2階建て住居だと2階よりも1階の方が大きくなるケースが多く、
1階の出っ張ってる部分を収納スペースとして使うのが下屋裏収納なのね。

グルニエは屋根裏だから入るためには梯子や階段が必要だけど、
下屋裏は1階の屋根裏部分に当たるので2階から直接入ることができるわ。

そのため、スペースはグルニエよりも狭くなる可能性が高いけど、
梯子や階段を付ける必要が無いので下屋裏収納の方が費用が安く済むのよね。

グルニエを作る際に注意すべきこと

収納スペースを増やすなどの目的で、新築やリフォームでグルニエを検討する際には
いくつか注意しないといけないことがあるわ。

まず、先にも少し書いたけど、グルニエは建築基準法で高さや面積などが
決められているので、それに沿ったものでないとダメってこと。

それからグルニエを収納スペースにする場合でも換気の問題があるし、
さらに断熱施工をどうするのかも考えないといけないのよ。

さらに居住スペースとしてもグルニエを使うんだったら、
採光についても考えておく必要があるわ。

また耐荷重量の問題もあるし、
グルニエを作るなら家全体のバランスも考え直さないといけないことになるのね。

グルニエの高さは140cmまで

建築基準法でグルニエの高さは140cmまでと決められているわ。

140cmは一般的な大人はもちろん、
子供でも小学校高学年ぐらいになると真っすぐに立つことができない高さよね。

グルニエを収納スペースにしたり、小学校低学年までの子供が遊んだりする
スペースとして使う分には高さ140cmでも何の問題も無いわ。

しかし大人や小学校高学年以上の子供にとっては、
高さ140cmまでのグルニエは快適な場所にはならない可能性が高いのよ。

施工主はグルニエのつもりでも高さが140cmを超えると、
建築基準法の上では3階部分と見なされるの。

2階建てと3階建てでは建物の評価額が大きく変わり、
評価額を元に算出される固定資産税も高くなっちゃうのよね。

施工時点は高さ140cmでも、
施工後に天井を突き破って140cmよりも高くするのは完全な法律違反よ。

床面積は設置階の半分

建築基準法ではグルニエの床面積に関する規定もあり、
グルニエを設置する階の床面積の半分までとなってるの。

2階建て住居で2階の屋根裏にグルニエを作る場合は2階の床面積の半分、
平屋建てでグルニエを作る場合は建物の床面積の半分までってことよ。

例えば2階建て住居にグルニエを作る場合、2階の床面積が40平米だとしたら、
グルニエの床面積は20平米までにしないといけないのね。

グルニエの床面積が設置階の床面積の半分を超えると、グルニエじゃなくて3階として判断されちゃうわ。

建築申請では設置階の床面積の半分以下なのに、
実際には半分を超えてると完了検査が不合格となり、
グルニエの床面積が設置階の床面積の半分以下になるようにやり直す必要があるのよ。

また本人は2階建て+グルニエのつもりでも、建築申請の段階で床面積が
設置階の床面積の半分を超えてると3階建てと見なされるわ。

先の高さの場合と同じで、グルニエが3階と見なされると建物の評価額が上がり、
固定資産税も高くなるのね。

グルニエに固定式の階段を付けちゃダメ

グルニエに入るための梯子や階段は取り外せたり折りたためるなど
可動式のものでないとダメで、基本的に固定式の階段は認められないわ。

建築基準法でグルニエに固定式の階段を付けちゃダメってことになってるんだけど、
自治体ごとに規定の内容が違ってて、グルニエに固定式の階段を付けてもOKの
場合もあるのよねぇ。

ただグルニエに固定式の階段を付けてもOKという自治体はそんなに多くないみたい
だから、基本的にはグルニエには可動式の梯子や階段を取り付けた方が良いわよ。

また固定式の階段を付けてもOKな自治体でも、
固定式の階段部分が建物の施工面積に含まれることになるわ。

要するにグルニエに入るための階段分だけ建物が大きくなって、
結果的に固定資産税が高くなっちゃうのね。

利便性を考えると固定式の階段の方が良いけど、
法律順守と固定資産税のことを考えると可動式の梯子や階段にするべきだわ。

グルニエありきの設計はダメ

家を建てたり、リフォームする時に、
グルニエありきで設計するのは基本的には認められてないのよ。

自治体ごとに建築基準法を元にしたグルニエの取り扱いに関する規定が設けられてて、
屋根裏や小屋裏の「余剰空間」をグルニエとして使うことが認められてるわ。

実際に、東京都武蔵野市では「小屋裏、天井裏、床下等の余剰空間を利用した物置」、
埼玉県川口市だと「小屋裏物置等は意図的に設けられた空間ではなく、
余剰空間であること」となってるの。
(「」内は引用)

普通の住宅として設計して、たまたま屋根裏や小屋裏に余った空間ができちゃったから、
それをグルニエとして使うというのが基本的な考え方みたいね。

だからグルニエありきで設計すると、建築申請の段階で自治体の許可が下りずに
新築やリフォームができないことも十分に考えられるのよ。

またグルニエの設置は収納スペースとして使うことだけが認められてて、
居住スペースとして使うことは基本的にできない取り決めになってるわ。

物置に不要なテレビやエアコンなどの設置は認めらないし、光コンセントもダメ、
電気のコンセントは1か所のみの設置が認められてるの。

さらに自治体によっては、
グルニエの床にカーペットや畳なんかを敷くのもダメとなってたりするのよねぇ。

「自分家の中のスペースなんだから自由に使って良いじゃん」と思うかもしれないけど、
グルニエに関してはかなり厳しい基準が設けられてるのね。

もし完了検査後にグルニエをDIYで居住スペースに改装した場合、
完了検査に適合した建物でないということで、
売却時の家の評価額を大きく下げることになっちゃうわ。

家の外からグルニエに入れるようにしちゃダメ

各自治体のグルニエに関する規定では、グルニエに入るための入口は建物内部に作り、
建物の外から直接グルニエに入れるようにしちゃダメってことになってるのね。

グルニエを子供部屋として使う場合、利便性を考えると、家の中を通らずに
お庭などから固定階段を使って直接グルニエに入れるようにするなんてこともあるかも
しれないわ。

もしくは外から直接でないにしても、ベランダやバルコニーからグルニエに
入れるようにするぐらいことはあるんじゃないかしら。

グルニエと外を直接出入りできるようにするはダメだし、
グルニエに固定階段を付けるのも基本的にダメ、
ベランダとかバルコニーから入れるようにするのもダメなのよ。

外から出入りできるグルニエは1つの部屋と見なされて、
グルニエ分が総床面積に含まれることになるから気を付けてね。

換気のための窓の大きさも決められている

物置であっても換気しないとカビなどが生える恐れがあるから、
窓を付ける必要は無いものの、グルニエにも換気用の窓は付けておきたいところだわ。

ただグルニエに付けられる窓の大きさにも決まりがあって、
窓の開口部の面積はグルニエの床面積の20分の1以下となってるの。

例えばグルニエの床面積が20平米だとすると、
窓の開口部の面積は1平米までってことになるのね。

しかも自治体によっては窓1つあたりの面積まで決まってて、
先の武蔵野市だと窓1つあたりは0.25平米までよ。

0.25平米って正方形だと5cm四方だから、人の出入りは当然できないし、
明かり取りとしてもほとんど役に立たないわね。

グルニエを作る場合は屋根裏断熱じゃなくて天井断熱

グルニエが無い住宅では屋根裏断熱だけど、グルニエを作る場合には少なくとも
グルニエとグルニエの直下にある部屋は屋根裏断熱じゃなくて天井断熱となるわ。

屋根裏断熱は、
屋根裏の床であり直下の部屋の天井裏にあたる部分に断熱材を敷き詰めるのよ。

これだと屋根裏の空間プラス断熱材で、十分な断熱効果が期待できるわ。

ところがグルニエを作るとグルニエの床に断熱材を敷き詰められないから、
断熱材を屋根材の裏に敷き詰めたり、グルニエの天井に張り付けたりすることになるの。

こういった天井断熱だと、屋根裏の空間というワンクッションが使えないため、
グルニエとグルニエ直下の部屋の断熱効果が十分じゃなくなる恐れもあるのよ。

基本的にグルニエにエアコンの設置は認められてないものの、
エアコンを設置しても真夏の昼間だとグルニエ内があまり涼しくならないかもしれないわ。

そのため通常よりも多めに断熱材を使わないといけなくなったりして、
施工にかかる費用が嵩むことに繋がることも考えられるのね。

グルニエの床はそんなに丈夫じゃない

グルニエは基本的に収納スペースだから、床はそれほど丈夫にはなってないのよ。

グルニエの床の耐荷重はそれぞれ違うだろうけど、
まず人が何人も入って歩き回れるほどの耐荷重にはなってないはずだわ。

だから家電や家具なんかをいくつもグルニエに入れたり、グルニエの中で子供が
走り回ったりすると、グルニエの床が抜けて直下の部屋に落ちちゃう恐れがあるのね。

新築やリフォームでグルニエを新たに作るんだったら、多少重い物を入れたり、
子供が走り回っても大丈夫なように床を丈夫にしてもらっておくと良いんじゃないかしら。

ただグルニエのある中古住宅を購入した場合は、グルニエの床の耐荷重が
十分じゃない可能性があるから、収納スペース以外に転用するのは止めた方が良いわ。

     
   

家にグルニエを作るメリット

家にグルニエを作るメリットとして挙げられるのは、
何と言っても「居住スペースに影響を与えずに収納スペースが増やせる」ということね。

固定資産税の計算には家全体の床面積が関係するため、
居住スペースを削って収納スペースを増やしても固定資産税は変わらないわ。

居住スペースを削らずに収納スペースを増やそうと思っても、
建ぺい率や容積率などで土地に対して建てられる家の大きさが決まってるから
増やそうにも増やせなかったりするのよ。

でもグルニエは、各自治体の規定に従ったものであれば、
家の床面積には含まれないの。

だからグルニエを作ることで、
居住スペースに影響を与えずに収納スペースが増やせるってわけ。

グルニエは収納スペースとしてはあまり役に立たない?

デメリットとまでは言えないけど、
グルニエって実は収納スペースとしてはあまり役に立たないことも多いのよね。

季節ごとに出し入れするものはクローゼットなどに入れるので、
グルニエに入れるのは「もう使わなくなった物」だったりするわ。

私の実家にもグルニエがあるんだけど、私の実家のグルニエに入れてるのは
 ・以前居間に飾っていた日本人形
 ・兄の五月人形
 ・私のひな人形
 ・父が使ってたゴルフのクラブセット
などよ。

いずれももう使わなくなった物で、
余程のことでもない限りはグルニエから出すことはない物ばかり。

グルニエにもう使わなくなった物を入れるのは良いんだけど、
片手で持てない物はグルニエに入れにくいのよねぇ。

だってグルニエには基本的に固定階段は付けられなくて、
取り外し可能な梯子や折りたためる階段が付いてるの。

これが不安定な上に傾斜が急だから、
両手に物を持って梯子や階段を上ってグルニエに入るなんてことができないのよ。

だから日本人形とか五月人形なんかは、一旦箱から出して、
さらにケースと人形に分けてグルニエにそれぞれ持って入り、
中で組み直して箱に入れるといったことをしたわ。

日本人形やゴルフのクラブセットみたいに分割できるものだと良いけど、
分割できない大きめの家電なんかはグルニエに入れにくいのね。

そのため案外物置としては役に立たず、
グルニエの広さに対して入れてる物が少なくてスペースが余っちゃったりするのよ。

まとめ

グルニエとは何か、
家にグルニエを作る際に注意することなどについて詳しく説明したわ。

固定階段の設置にしてもそうだけど、
グルニエには建築基準法を元にした各自治体の規定が設けられてるのよ。

その規定に則って建築申請しないといけないし、
基本的には建築申請の内容通りの使い方をしないといけないの。

ただグルニエに関する規定は各自治体で違ってるから、
新築やリフォームでグルニエを作る時は施工業者さんとよく相談してね。

   
   

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