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ASUSのスマホに危険性は無いって信じられますか?

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性能の割にリーズナブルで「コスパが高い」としてに人気のZenFoneなど
「ASUS」のスマホですが、セキュリティなどの面で危険性は無いのでしょうか?

今回はスマホを中心としたASUS製品の危険性などについて詳しく見ていきましょう。

     
   

ASUSは台湾のメーカー

ASUSに危険性を感じている人の中には、
ASUSを「中国メーカー」だと勘違いしているケースも少なくありません。

ASUSは1989年に台湾で設立された電子機器メーカーで、
現在も台湾に本社があり、台湾の株式市場に上場している台湾企業です。

設立当初から日本にパソコンのマザーボードを輸出していて、
現在でもマザーボードの分野ではASUSはトップクラスとなっています。

スマホ事業には2014年から参入、
日本ではSIMフリースマホでシェア1位を獲得したこともあります。

ちなみにASUSのスマホブランドである「ZenFone」の「Zen」は日本の「禅」で、
「心に平和をもたらす、無駄のない美しさ」を表しているそうです。
(厳密には「禅」はサンスクリット語に由来)

スマホの生産は中国

ASUSは台湾のメーカーですが、ASUSのスマホは中国の工場で作られています。
(参照:https://twitter.com/ASUSJapan/status/870446722408894464)

元々は台湾の工場で作っていたのですが、
コストの問題や量産の必要から中国のパートナー企業に生産を委託しています。

日本では中国産に対して「安かろう悪かろう」のイメージが根強いですが、
スマホやパソコンなどの電子機器に関してはそのイメージは当てはまらないです。

ASUSのスマホが中国で作られているとなると、
少し不安を感じる人も居るかもしれません。

しかし今や中国は「世界の工場」とも言われており、
世界中の電子機器メーカーが中国に工場を持っています。

世界最先端の技術と技術者が中国に集まっているわけですから、
中国で作られる電子機器は性能が高いのです。

また中国は開発・設計から部品調達、組み立て、テストまで一貫して国内でできるため、
電子機器の製造コストが抑えられます。

世界的には性能の割にリーズナブルな「コスパの高さ」が
中国産電子機器の代名詞となっています。

ASUSのスマホやパソコンも中国で作っているから危険といったことはなく、
コスパの高い製品と言えるわけです。

ASUSのスマホの危険性は?

ZenFoneを始めとしたASUSのスマホについては、
現状ではセキュリティ面などで危険性はほとんど無いと思われます。

Huaweiがアメリカ市場から排除されていることも、
一部の中国の電子機器メーカーのスマホにはセキュリティ面に不安があります。

しかし台湾メーカーは特に欧米から危険視されていることはなく、
ASUSもアメリカの取引制限リストに名を連ねているといったことはありません。

どこかの国でASUSのスマホやパソコンが使用禁止になっているといった話も
聞かないので、現状ではASUS製品は安全に使えると思って大丈夫です。

中国には中国の国民・企業に国の情報活動への協力を義務付ける
「国家情報法」という法律があります。

この法律が厳格に運用されると、中国の電子機器メーカーはスマホやパソコンの販売を
通して得た情報を中国政府に提供しなければいけません。

現状では国家情報法が厳格に運用されていないようなので危険性は低いものの、
将来に渡って危険性は低いとは言えないのです。

ところが台湾には国家情報法に相当する法律は無く、
電子機器メーカーがユーザー情報を政府に提供することはありません。

ユーザー情報が国に提供される恐れが無いという点から考えても、
中国メーカーよりは台湾メーカーであるASUSの方が危険性は低いです。

ASUSに不安を感じる事例

現状では危険性は低いものの、過去にはスマホを始めとしたASUS製品に
不安を感じさせるような事例がいくつか発生しています。

1つは、2019年にASUSの正規版ソフトウェアに不正なプログラムが
組み込まれていることが判明したトラブルです。

ASUSが公開したアップデートソフト「ASUS Live Update」にバックドアが
仕掛けられていたことが2019年3月に確認されます。

これはASUSが仕掛けたものではなく、
ハッカーがASUSのシステムに不正アクセスして仕掛けたものです。

ASUS Live UpdateはASUSのパソコンにプリインストールされているソフトで、
ドライバなどの自動更新でされます。

日本で被害を受けた人は少数でしたが、
欧米を中心に100万人規模の被害が出たと推測されました。

ASUS Live Updateの修正版を公開することで事態は収束、
現在はバックドアが仕掛けられている心配はありません。

しかしメーカーの公式ソフトに不正なシステムが仕掛けられており、
それにメーカーが気付ず公開してしまったことに不安を感じます。

マザーボードの発火トラブル

2021年にはASUSのマザーボードが発火するというトラブルが発生しています。

2021年12月までにアメリカでASUSのマザーボードが発火するトラブルが
数件報告されました。

ASUSの調査では、生産ラインの1つでメモリコンデンサが
逆向きに取り付けられていたことが原因ではないかと考えられています。

アメリカでは約1万台のマザーボードがリコールとなりました。

幸い日本では発火トラブルは発生しませんでしたが、
日本でも該当するマザーボードユーザーへの対応を余儀なくされています。
(参照:https://www.asus.com/jp/news/dkjizvipvod2lsvj/)

部品の取り付けミスが原因で、
ASUSの製造工程や製品のチェック体制の甘さに不安を感じざるをえません。

特にマザーボードはASUS創業時から主力製品で、
現在でもトップサプライヤーだけに不安は小さくありません。

ルーターに脆弱性

2022年にはASUSのWi-Fiルーターに脆弱性が発見されました。

先のアップデートソフトと同様にハッカーによってWi-Fiルーターのシステムに
バックドアが仕掛けられ、情報を抜き取られる危険性が指摘されています。

しかも仕掛けられた不正システムは非常にタチが悪く、
Wi-Fiルーターを工場出荷状態にリセットしても消去されません。

不正システムが仕掛けられたWi-Fiルーターを使っている限りは、
永久的にバックドアから情報を抜き取られ続ける危険性があるのです。

ASUSがすぐにファームウェアアップデートを提供できなかったため、
危険性を緩和することしかできませんでした。

脆弱性が発見されたWi-Fiルーターの中にはサポートが終了していた機種もあり、
その機種はファームウェアアップデートが公開されず買い替えを余儀なくされたのです。

最新のASUSのWi-Fiルーターは脆弱性に対応しており、
バックドアから情報を抜き取られる心配はありません。

しかしアップデートソフトに続いてWi-Fiルーターもハッカーから攻撃を受けた上に、
Wi-Fiルーターは即座に対応できなかったところは不安でしかないです。

Wi-Fiルーターへの攻撃についてはハッカーがASUSを標的にしていたとも
言われており、今後同様のトラブルが発生する危険性があることも不安です。

スマホでもトラブルが発生している

少し時期が遡りますが、2019年にはスマホではASUSはトラブルを起こしています。

2019年3月に発売した「ZenFone Max Pro2(M2)」に、
特定の周波数帯が使用できない不具合が見つかりました。
(参照:https://www.asus.com/jp/news/rjb6zxjx1dtdgpy4/)

ドコモなどの通信会社は複数の周波数帯の電波を使って通信しており、
一部の周波数帯が使えなくても通話やネットができなくなるわけではありません。

しかし一部の周波数帯が使えなくなることで、場所によっては電波が入りにくい
あるいは電波が全く入らないといったことが起こる可能性があります。

1か月後の2019年4月下旬に修正版を提供、返品もしくは交換の対応を開始しました。

特定の周波数帯が使用できなかった原因が、
何と「日本向けスマホに日本向けとは違う仕様のパーツを組み込んで出荷したため」。

マザーボードの発火トラブルも部品の取り付けミスが原因でしたが、
スマホのトラブルもパーツの取り付けミスが原因です。

製造工程や出荷前の製品のチェックが甘いと言われても仕方がなく、
ユーザーとしてはASUS製品に不安を感じる点です。

ASUSは中国の影響を強く受けている?

スマホやパソコンなど製品のトラブルではありませんが、
ASUSが中国の影響を強く受けていると疑われるようなトラブルも発生しています。

2020年にASUS日本支社があるVtuber事務所に、
人気VtuberがASUS製品を紹介する動画を作成するコラボ案件を発注します。

コラボ動画に先立って公開された動画生での台湾の表記に中国人視聴者が反発、
Vtuberサイドは釈明するものの釈明内容に今度は日本や欧米の視聴者が反発します。

Vtuber事務所は釈明を撤回し、中国から撤退、中国を中心に活動していたVtuberは
卒業、ASUSの案件もキャンセルとなってしまいました。

これだけならVtuber事務所がやらかしただけに見えますが、ASUSの案件が
キャンセルになった件はASUS中国支社による圧力と言われているのです。

ASUSの関係者と思われる人物がSNSで、中国支社が日本支社に圧力をかけて
Vtuber事務所への案件をキャンセルさせた趣旨の投稿をしています。

Vtuber事務所はもちろん台湾のASUS本社もこの件について声明を
発表しなかったことから、圧力があったことは事実ではないかと思われたわけです。

中国から直接的に影響を受けているわけではないですが、中国支社が
本社を凌ぐほどの影響力を持っていると思われて仕方がないようなトラブルです。

     
   

まとめ

ASUSのスマホには現状では特に危険性は無く、日本でも安全に使えます。

ただスマホを含めたASUS製品で過去にいくつかトラブルが発生しており、
信用性の面では他メーカーより多少落ちると言わざるを得ません。

ASUSのスマホはコスパが高いので人気ですが、
実際に利用するかどうかは慎重に検討したほうが良いのではないでしょうか。

   
   

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