IT

ゼピールのメーカーは意外にもあの国の企業だった!

投稿日:

ジェネリック医薬品ならぬ「ジェネリック家電」のブランドとして
家電量販店や通販サイトなどで見かけるのが「ゼピール」です。

ではゼピールとはどこのメーカーのブランドなのか、
どこの国で作っているのかなど詳しく見ていきましょう。

     
   

ゼピールは電響社のブランド

ゼピールは中堅電機メーカーである「電響社」の製品ブランドです。

電気街としても有名な大阪市浪速区日本橋に本社を置く日本企業で、
1948年に創業しています。
(参照:https://www.denkyosha.co.jp/about/history.html)

当初は電気や音響関連機器の卸売を行っていましたが、
現在は扇風機や電子レンジなど小型家電を中心に製造・販売を行っています。

元々は創業者の個人商店でしたが1955年に株式会社に改組、
その後新事業への進出や他の中堅電機メーカーの買収などで成長していきます。

1984年には当時の大阪証券取引所第2部に上場、2013年に大阪証券取引所が
東京証券取引所に統合されたことで東証2部に上場します。

2022年には、東証の取引区分再編に伴ってスタンダード市場へ上場することになり、
現在の持株会社制へと移行しました。

2023年には新社屋へと移転、
中堅ながら創業から75年が経過しても電響社は成長を続けているのです。

ゼピールはどこの国で作られている?

ゼピールブランドの製品を作っている場所については明らかになっていませんが、
中国を中心としたアジアで作られていると考えられます。

通販サイトのレビューに「生産国が中国」という意見が多く見られるので、
ゼピール製品は中国で作られていると考えられるわけです。

特にジェネリック家電は価格を抑えることが重要で、
価格を抑えるには製造コストを抑えなければいけません。

中国には現在世界中の電機メーカーが工場を持っており、
最先端の電子機器を作る設備が整っています。

電子機器の技術者も中国にはたくさん集まっていますから研究・開発もできますし、
電子機器製造に必要な部品の調達も中国国内で可能です。

製造はもちろん最終的なチェックも中国国内ででき、
日本に比べると人件費も安いので中国では製造コストが抑えられるわけです。

あくまで製造過程の効率化によってコストが抑えられているだけで、
品質や性能が犠牲になっているわけではありません。

日本以外では中国製の電子機器は「安くて良い物」の代名詞であったりもするので、
ゼピール製品が中国で作られているからと言っても粗悪品ではないのです。

ジェネリック家電とは?

ゼピールは一般的に「ジェネリック家電ブランド」とされますが、
ジェネリック家電は大手メーカーの技術を使いながら低価格を実現した家電のことです。

一般的にジェネリックと言えば医薬品で、
ジェネリック医薬品は特許が切れた新薬と同じ有効成分を含む医薬品を指します。

新薬は製薬メーカーが研究や治験などを重ねて開発されるため、
開発コストが反映されて価格が高くなります。

しかしジェネリック医薬品は開発にコストがかからないので、
新薬と同じ有効成分を使いながら安い価格で提供できるのです。

ただ新薬には独占販売期間が設けられており、
独占販売期間が終了するまでは他メーカーはジェネリック医薬品を作れません。

ジェネリック家電の仕組みもジェネリック医薬品と基本的には同じです。

ジェネリック医薬品は新薬の独占販売期間が終了することで作られますが、
ジェネリック家電は大手電機メーカーの技術供与によって作られます。

大手電機メーカーは常時新しい電化製品に関する技術を開発しており、
自社製品に使わなくなった一世代前の技術は中堅メーカーに売却しています。

ゼピールの電響社を始めとした中堅メーカーは、
大手メーカーから買った技術を使ってジェネリック家電を作っているのです。

ただジェネリック医薬品とは違ってジェネリック家電は大手メーカー製品と同じではなく、
機能やデザインなどがシンプルになっています。

大手メーカーから技術を買うことに加えて機能やデザインをシンプルにすることで、
大手メーカーよりも大幅に安い価格で提供できるというわけです。

ゼピール以外のジェネリック家電のメーカーやブランドとしては
 ・アイリスオーヤマ
 ・山善
 ・トヨトミ
 ・ツインバード
などが挙げられます。

ちなみにジェネリック家電はジェネリック医薬品になぞらえた造語で、同じ安価でも
外国メーカー製品と国産中堅メーカー製品を区別するために作られました。

ジェネリック家電は日本の中堅メーカーの製品のみを指しており、
中国や韓国を始めとした海外メーカーの安価な製品はジェネリック家電に含まれません。

ゼピールブランドの製品

ゼピールと言えば季節商品で、夏に使う扇風機やタワーファンなど、
冬に使うオイルヒーターやファンヒーターなどが有名です。

季節商品以外にも、キッチン家電として
 ・炊飯器
 ・ポット
 ・食洗器
 ・ホームベーカリー
 ・エスプレッソマシン
なども作っています。

創業当初から取り扱っている音響機器は、ラジカセやレコードプレーヤーに加えて
 ・ブルーレイディスク
 ・DVDディスク
 ・USBメモリ
 ・SDカード
などを取り扱っています。

健康美容器具も製造・販売しており、現在ゼピールが取り扱っているのは
 ・電気シェーバー
 ・ヘアドライヤー
 ・電動歯ブラシ
 ・マッサージチェアー
 ・浄水器
などです。

また小型家電が中心ではあるものの、冷蔵庫や洗濯機、エアコンといった
一部の大型家電もゼピールでは取り扱っています。

ゼピール製品については電響社のサイトも参照してください。
(https://www.denkyosha.co.jp/business/)

ただ扇風機やヒーターなどの季節商品以外は、
家電量販店や通販サイトで見かけることは少ないです。

ゼピール製品の評判

ジェネリック家電は一世代前ではあるものの大手メーカーの技術を使っているので、
性能や品質には問題がありません。

しかし実際に使ったことが無いと手を出しにくいのも事実ですから、
実際にゼピール製品を使っている人の評判を見てみましょう。

ゼピールの主力製品の1つである「扇風機」、その扇風機に対する評価として多く見られたのが「種類が多い」というものです。

ゼピールの扇風機には
 ・ACモーター扇風機
 ・DCモーター扇風機
 ・BOX扇風機
 ・タワーファン
 ・壁掛け扇風機
といったものがあります。

「ACモーター扇風機」はいわゆる昔からあるリビング扇風機のことで、
一定周期でプラスとマイナスが入れ替わる交流電源で作動します。

細かい風量の調節はできませんが、余計な機能が付いていないので操作が簡単で
子供からお年寄りまで誰でも簡単に使用可能です。

ただ細かい風量の調整ができないため「弱」にしても風が強いと感じたり、
羽の回転音が大きいので就寝時など静かな場所で使うと音が気になります。

「DCモーター扇風機」は、
プラスとマイナスが入れ替わらない直流電源で作動するリビング扇風機です。

モーターの回転数が制御できるので細かい風量の調節が可能で、
消費電力が小さく長時間使っても電気代が安いのが大きなメリットです。

サーキュレーターや空気清浄機、脱臭機の代わりとして使えるなど多機能ですが、
その分価格が高くなっています。

「BOX扇風機」はスクエア型の薄くて軽い扇風機で、
フォルム的には古いタイプの換気扇と似ています。

コンパクトで置き場所に困らず、テーブルの上に置いて使うことも可能です。

ただBOX扇風機はリビング扇風機に比べると機種が少ない上に
売り切れになっていることが多いので、手に入れにくいのが難点です。

「タワーファン」はタテ型スタイルの扇風機、羽を回すのではなくファンを回して
風を送り出すので扇風機とは少し仕組みが違います。

羽が無いので安全性が高く、
サイズの小さいものであればデスクの上に置いて使うこともできます。

作動音が大きく、首振りの範囲が狭い、
スリムなタテ型のため倒れやすいなどがデメリットです。

「壁掛け扇風機」は文字通り壁に掛けるタイプの扇風機、
最近はあまり見ませんが銭湯や食堂などでよく使われていました。

価格が安い

ゼピールの扇風機を始めとした製品は、
大手メーカーの製品に比べると価格が安いことも特徴として挙げられます。

例えばACモーターのリビング扇風機は、ゼピール製品は7,000円程度で
購入できますが大手メーカーの製品だと10,000円を超えます。

DCモーター扇風機だとその差はさらに顕著で、大手メーカーだと
20,000~30,000円台ですがゼピールだと10,000円台前半で購入可能です。

扇風機に色々な機能は不要と考えている人には、
シンプルで安いゼピールの扇風機は好評を博しています。

使える機能が少ない

ジェネリック家電の大きな特徴ですが、ゼピール製品は「使える機能が少ない」ことも
特徴でプラス・マイナス両方の評価を受けています。

例えばゼピールの主力製品の1つであるオーブンレンジは、
基本的に「温め」と「解凍」の機能しかありません。

一応自動調理機能が付いた機種もありますが、大手メーカーのオーブンレンジに
比べると調理できる料理の種類が少なくなっています。

機能が少ないことに対しては「シンプルで分かりやすい」と好評な反面、
「欲しい機能が付いたものが無い」といったマイナスの意見も少なからず見られました。

取り扱い店舗が少ない

ゼピールの製品は取り扱っている店舗やサイトが少ない点がマイナス評価と
なっています。

楽天市場やAmazonなど通販サイトではゼピール製品が取り扱われていますが、
種類はそれほど多くありません。

家電量販店はオンラインショップでは取り扱っていても、
実店舗ではほとんど取り扱っていないことが多いです。

特にジェネリック家電を初めて購入する場合は、実際に触って確認したいケースも
多いので実店舗で取り扱いが少ないのはマイナス評価を受けても仕方がありません。

     
   

まとめ

ゼピールは大阪に本社を置く日本企業「電響社」のブランドで、
機能とデザインをシンプルにしたいわゆるジェネリック家電です。

大手メーカーに比べると機能性は適いませんが、
性能と品質には問題が無くて価格が安い点がゼピールの大きな特徴となっています。

   
   

Copyright© インターネットのお話 , 2024 All Rights Reserved.