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VAIOはソニーじゃない!?じゃあどこのメーカー?

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「VAIO」と言えばソニーのパソコンブランドというイメージが強いですが、
ネットで調べると「VAIOはソニーじゃない」といった情報が出てきます。

ではVAIOは本当にソニーじゃないのか、
ソニーじゃないとしたらどこのメーカーのブランドなのかなど詳しく見ていきましょう。

     
   

VAIOはソニーじゃない

ネットなどで見られる「VAIOはソニーじゃない」という情報、誤認でもデマでもなく
真実です。

元々VAIOは1996年に初代が発売されたソニーのパソコンブランドでした。

日本を代表する企業の1つであるソニーブランドということもあって、
一般認知度は高いものの出荷台数はそれほど伸びなかったのです。

実際にVAIOの出荷台数のピークは2010年の870万台で、
これは世界的トップメーカーであるレノボやHPの数分の1程度しかありません。

2011年以降は出荷台数が減少に転じてパソコン部門は大きな赤字となり、
ソニー本体の経営にまで影響を及ぼしていました。

ソニーは資金や人材を集中させる事業の選択を迫られ、
2014年にパソコン部門を売却することになったのです。

2014年6月まではVAIOはソニーのパソコンブランドでしたが、
2014年7月以降は「VAIOはソニーじゃない」ことになっています。

VAIOを作っているのはVAIO

2014年7月以降にVAIOを作っているのは「VAIO株式会社」という会社です。

2023年現在、VJホールディングスという会社がVAIO株式会社の90%を超える株式を
保有しています。

VJホールディングスは「日本産業パートナーズ」という投資ファンドの子会社で、
実質的にはVAIO株式会社も日本産業パートナーズ傘下です。

日本産業パートナーズは現在は独立系ですが、元々はみずほ証券などが出資して
設立されたみずほグループの会社でれっきとした日本企業です。

VAIO株式会社以外にも「NECビッグローブ」やファミレスのガストなどを運営する
「すかいらーく」などに日本産業パートナーズは出資しています。

NECや富士通のパソコン部門が中国のLenovoに買収されているので、
VAIOも中国企業に買収されたと勘違いされることもあります。

VAIOは現在ソニーじゃないですが、
売却先も日本企業で国産メーカーのパソコンであることに変わりありません。

VAIOとソニーは全く関係なくなったわけではない

ソニーはVAIOを売却したものの、
完全にVAIOとソニーの関係が絶たれたわけではないです。

VAIO株式会社の株式をソニーが約5%保有しており、
影響力は小さいもののソニーはVAIOの株主です。

またソニーの公式ショップである「ソニーストア」では、
2023年現在もVAIOを販売しています。

2014年6月まで販売していたソニー製VAIOについては、
現在でもサポートはソニーが行っています。

VAIOはソニーじゃないのは事実ですが現在もソニーと完全に切れたわけではなく、
細いながらも関係は続いているのです。

VAIOはどこの国で作られている?

VAIO株式会社は長野県安曇野市にあるソニーの工場を引き継いでいるので、
VAIOは基本的に長野県の工場で作られています。

ただ高価格帯のハイエンドモデルは確実に長野産なのですが、
比較的安価なモデルは中国産という話もあります。

VAIOの公式サイトには「重要な製造工程を(中略)本社工場で行い」と書いてあり、
全てのモデルを本社工場で作っているとは書かれていません。
(参照:https://www.sony.jp/vaio-v/3reasons/#:~:text=VAIO%E3%81%AF%E3%80%81%E8%A8%AD%E8%A8%88%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A3%BD%E9%80%A0,%E3%82%92%E5%BE%B9%E5%BA%95%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82)

モデルによっては中国の工場で製造、
日本の本社工場で仕上げとチェックを行っている可能性があります。

VAIOのラインナップ

2023年8月現在公式ショップで販売されているVAIOのラインナップは
 ・S13
 ・S15
 ・SX12
 ・SX14
 ・F14
 ・F16
 ・Proシリーズ(PK、PJ、PG、PH、BM、BK)
となっています。

Proシリーズは法人向けモデルのため個人で購入することはできません。

「SX12」と「SX14」がフラッグシップ的な立ち位置で、
モバイルノートパソコンとして持ち運んで使うことを前提にしているモデルです。

「S15」と「F16」は据え置きでの使用を想定したモデルのノートパソコンとなっています。

定番ノートパソコンという位置付けで、
搭載する機能を標準的なものに絞ることで価格を抑えています。

「S13」と「F14」はS15・F16と同様に機能を標準的なものに絞って価格を抑えた
定番モデルで、持ち運んで使うことを想定したモバイルノートパソコンです。

Proシリーズは
 ・PK SX14の法人向けモデル
 ・PJ SX12の法人向けモデル
 ・PG S13の法人向けモデル
 ・PH S15の法人向けモデル
 ・BM F16の法人向けモデル
 ・BK F14の法人向けモデル
となっています。

「PH」と「BM」が据え置きタイプで、
それ以外のProシリーズはモバイルノートパソコンという位置付けです。

VAIOの評判

ネットでVAIOについての評判を調べてみると、好意的なものとして
 ・故障しにくい
 ・国産パソコンである
 ・カスタマイズできる
などが見られました。

「故障しにくい」に関して、実際にVAIOを使っている人の中には
10年使っても一度も故障したことがないといったケースがあります。

一般的にノートパソコンの耐用年数は5年程度と言われていますから、
VAIOは2倍近く長持ちすることもあるのです。

ただ電化製品には「当たり外れ」があり、当たりだと10年使えることもありますが
外れを引くと5年持たないといったことも十分に考えられます。

「国産パソコンである」ですが、
確かにVAIOは数少ない国産メーカーが国内で作っているパソコンです。

NECや富士通がパソコン部門を売却、東芝のDynabookも実質的な外資系となり、
国産メーカーの国産パソコンは片手で数えるほどしかありません。

日本人は「Made in Japan」に誰よりも誇りを持っていますから、
「国産パソコンである」ことはVAIOの大きなメリットなります。

「カスタマイズできる」ですが、VAIOは全てのモデルにカスタマイズモデルがあり
 ・本体カラー
 ・OS
 ・CPU
 ・メモリ
 ・ストレージ
といった本体仕様を思い通りに変更可能です。

MicrosoftOfficeやセキュリティのソフトを付けることもできますし、
覗き見防止フィルターなどの機能を追加することもできます。

VAIOはカスタマイズできる項目が多いものの、
ノートパソコンがカスタマイズできるのは今や当たり前となりつつあります。

数年前なら大きなメリットでしたが、
最近ではカスタマイズできることはVAIOの大きなメリットとは言えません。

VAIOの良くない評判

ネットでVAIOについて調べていると良くない評判もちらほら見られました。

VAIOの良くない評判としては以下のようなものが挙げられます。
 ・コスパが悪い
 ・シェア率が低い
 ・ブランドイメージが強いだけ

「コスパが悪い」ですが、S13・15、F14・16のように価格を抑えたモデルがあるものの、
全体としてVAIOは価格が高めに設定されています。

公式ショップで一番価格の安いF14で119,800円、
高機能なSX12やSX14は20万円前後です。

海外メーカーは標準的な性能のモデルで10万円以下、ハイエンドモデルでも
20万円以下で買えますから、VAIOは少し高いと感じる人が多くなっています。

「シェア率が低い」ですが、VAIOは出荷台数がピーク時でもトップメーカーの
数分の1程度で、シェアグラフで「その他」に含まれるほどシェア率が低くなっています。

シェア率が低いとネット上の関連情報も少なくなるので、
何か困ったことがあってもネット情報だけで解決できないのです。

ちょっとしたことでサポートに頼らざるをえなくなり、ユーザーとしては不便です。

「ブランドイメージが良いだけ」はかなりシビアな意見ですが、「コスパが悪い」ことと
「シェア率が低い」ことを組み合わせるとそう思われても仕方がありません。

実際に「VAIOじゃないとダメ」という人は少なく、「ソニーブランドだから」(実際は違う)、
「国産パソコンだから」といった理由だけでVAIOを選んでいる人が多いです。

メーカーサポートの評判は非常に良い

VAIOのメーカーサポートの評判は非常に良くなっています。

日本のメーカーは海外メーカーに比べてサポートが手厚くなっていますが、
特にVAIOはオペレーターの対応が迅速丁寧と評判です。

海外メーカーはオペレーターの数が少ないため、
電話をかけてもオペレーターに繋がるまで長時間待たされることがあります。

メールやチャットでの問い合わせでもすぐに返答があることは少なく、
数日待たされることもザラです。

また海外メーカーでは日本専用のサポート窓口が用意されていないこともあり、
オペレーターに日本語が通じにくいといったこともあります。

トラブルの内容によっては、
カタコトのオペレーターに状況を十分に把握してもらえないこともあるのです。

その点VAIOのサポートは、電話は多少待たされることはあるものの
メールやチャットの返信が非常に早くなっています。

オペレーターは日本人ですから日本語が通じにくいといったこともなく、
スムーズに対応してもらえます。

サポートが充実している点を考慮してVAIOを選ぶ人も少なくありません。

ただVAIOは故障しにくいのでサポートのお世話になることが少なく、
サポートが充実している恩恵を受けにくいのが少し残念です。

     
   

まとめ

2014年にソニーが赤字であったパソコン部門を売却したことから、
2023年現在はVAIOはソニーの製品ではありません。

しかし完全に関係が切れたわけではなく、
現在もソニーショップでVAIOを取り扱っておりサポートの窓口にもなっています。

海外メーカーの傘下に入っておらず国産メーカーの地位を保っているので、
国産パソコンを使いたいならVAIOを選択肢に入れてみてください。

   
   

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