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マクスゼンは本当に日本メーカー?意外な親会社とは?

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テレビや冷蔵庫など格安家電ブランドとして有名な「マクスゼン」、使ってみたいけど
メーカーのことをよく知らないから手を出しにくいと感じる人も居るはずです。

そこでどこの国のメーカーなのか、
親会社はどこなのかなどマクスゼンについて詳しく見ていきましょう。

     
   

マクスゼンは日本企業

マクスゼンは東京に営業所がある日本企業で、
「マクスゼン」は製品のブランド名であると同時にメーカーの企業名でもあります。

2004年に設立され、当初から楽天市場やAmazonなどのECモールに店舗を構える
ネット通販を中心とした販売形式を取っています。

設立当初は価格.comや楽天市場、現在のauPayマーケット(当時のビッターズ)に
「デジタル家電のA-PRICE」という名前で出店していました。

その後Amazonやポンパレモールに「PREMOA」という名前で出店、
現在は公式のオンラインショップも開設しています。

2021年にブランド名が「XPRICE」に変更され、
ECモールの店舗や公式オンラインショップの名前も現在はXPRICEとなっています。

マクスゼンの親会社

マクスゼンは2023年10月現在、大手ホームセンターを運営する
「DCMホールディングス」が親会社です。
(参照:https://corp.xprice.co.jp/company/)

ただ設立当初からDCM傘下だったわけではなく、
DCM傘下に入ったのは2022年3月と比較的最近です。

現在のマクスゼンは日本企業を親会社に持つ純粋な日本企業ですが、
そこに至るまでには複雑な「生い立ち」があります。

マクスゼンは2004年に「有限会社MOA」として、
韓国でも起業経験のある韓国人「金南亨」によって設立されました。

創業者は韓国人なの韓国系ではありますが、日本で創業して日本を中心に
活動していたので設立当初から日本企業であることには変わりありません。

2008年に「株式会社MOA」に組織変更、
2013年にオリジナルブランドの液晶テレビ「マクスゼン」の販売を開始します。

2018年3月には香港の投資ファンドである「サンライズ・キャピタル」に買収され、
この時点で中国企業を親会社に持つ日本企業となります。

2021年に社名を株式会社MOAから「エクスプライス株式会社」、マクスゼン製品の
製造・販売するグループ会社の社名を「マクスゼン株式会社」に変更しました。

2022年3月にDCMホールディングスに買収されて、
親会社も日本企業のれっきした日本企業となったのです。

マクスゼン製品はどこで作っている?

液晶テレビなどの家電を始めとしたマクスゼン製品は、
恐らく中国にある工場で作られています。

「恐らく」というのは、公式サイトなどにマクスゼンの工場に関する情報が無く、
マクスゼン製品の生産国が中国だったというユーザーの情報からの推察だからです。

エクスプライスの公式サイトには「担当者による工場の現地視察」との記載があります。
(参照:https://corp.xprice.co.jp/pb/)

国内に自社工場があればわざわざ「現地視察」とは記載しないでしょうから、
マクスゼンの工場は海外にあると推察されます。

実際にマクスゼンの冷蔵庫を購入した人の「説明書に中国産と表示されている」という
ネット情報から、マクスゼンは中国の工場で作られていると考えられるわけです。

中国産の電化製品に不安はない?

マクスゼン製品が中国で作られていることを知って、
少なからず不安を感じた人も居るのではないでしょうか。

日本には「Made in China」に対してネガティブなイメージが根強く残っており、
できれば中国産は避けたいと考える人も少なくありません。

一部イメージ通りのネガティブな中国産製品もありますが、電子機器や電化製品に
関しては「Made in China」はネガティブなイメージ通りではないのです。

中国は現在「世界の工場」と言われており、
世界中の電機メーカーの工場が中国に作られています。

世界中から技術や技術者が中国に集まっているので、
中国で作られる電子機器や電化製品は品質や性能に全く問題がありません。

研究・開発から部品調達、製造、動作チェックまで一貫して国内で行えるので
製造コストが抑えられ、低価格での販売できることにも繋がっています。

ジェネリック家電とは?

マクスゼンブランドの電化製品を紹介する上で欠かせないキーワードに
「ジェネリック家電」というものがあります。

ジェネリック家電はジェネリック医薬品になぞらえた造語で、
性能の割に安価で販売されている日本メーカーの電化製品を指す言葉です。

ジェネリック家電を製造・販売する主な中堅メーカーには、マクスゼンを始めとして
 ・アイリスオーヤマ
 ・山善
 ・トヨトミ
 ・ツインバード
などがあります。

あくまで日本メーカーの製品を指しており、
同じ安価でも海外メーカーの製品はジェネリック家電には含まれません。

ジェネリック医薬品は大手製薬メーカーが開発した新薬の特許が切れた後に、
中堅製薬メーカーが同じ有効成分を使って作った医薬品のことです。

同じ有効成分を使っているので同じ効果が見込まれますが、
研究や開発の費用がかからないので新薬よりも安価に提供されます。

ジェネリック家電は、大手電機メーカーが開発した一世代前の技術を使って
中堅メーカーが作った電化製品です。

大手電機メーカーは常時新しい技術の開発を行っており、
自社製品に使わなくなった技術を中堅メーカーに売却しています。

技術を買い取った中堅メーカーは新しい技術の開発・研究に費用をかけずに済むので、
大手電機メーカーよりも安価に電化製品を販売できるというわけです。

一世代前とは言え大手電機メーカーが開発した技術ですから、
ジェネリック家電は品質や性能に全く問題はありません。

マクスゼン製品の特徴

マクスゼン製品の大きな特徴の1つが「価格の安さ」です。

ジェネリック家電なので大手メーカーより安いのは当然ですが、
マクスゼンは驚くぐらいの安さとなっています。

例えば50インチの大型液晶テレビで
 ・4K
 ・地上、BS、110度CSデジタル対応
のものがマクスゼンの公式オンラインショップでは46,980円で購入可能です。

大手メーカーであるPanasonicの同じ50インチの液晶テレビが
マクスゼンの公式オンラインショップで125,400円で販売されています。

同じジェネリック家電メーカーであるアイリスオーヤマの50インチの液晶テレビは
87,780円です。

もちろん機能面の違いがあるので単純には比較できませんが、
マクスゼンは大手メーカーの1/3から半額程度の価格となっています。

他のジェネリック家電メーカーと比べてもマクスゼンは安い方ですから、
価格重視ならマクスゼンがおすすめです。

機能はシンプル

マクスゼンの電化製品は大手メーカーのものに比べて
機能がシンプルになっているものが多いです。

先の液晶テレビで言うと、Panasonicの液晶テレビには
 ・2番組同時録画
 ・自動録画
 ・YouTubeやNetflixなど動画配信サービスの利用可能
 ・無線LAN接続
 ・スマホ連携
 ・スマートスピーカー連携
といった機能が備わっています。

マクスゼンの液晶テレビには録画機能こそ備わっているものの、
2番組同時録画や自動録画はできません。

ネット接続は有線接続のみ可能でWi-Fiは不可、
YouTubeやNetflixなどの動画配信サービスも利用不可となっています。

アイリスオーヤマの液晶テレビは無線LAN接続が可能で、
YouTubeやNetflixなど一部の動画配信サービスも見られます。

ちなみに今回比較した液晶テレビにはいずれもHDDが内蔵されておらず、
録画には別売りの外付けHDDが必要です。

液晶テレビに限らずマクスゼンの電化製品は、
機能を絞ることで低価格を実現しているのです。

多機能でも使いこなせないケースが多いですから、
「メイン機能さえ使えれば良い」という人にはマクスゼンの電化製品はピッタリです。

大手メーカーの最新機種に比べると品質が落ちる

大手メーカーの最新機種とマクスゼン製品を品質面で比較すると、
マクスゼン製品は一段落ちます。

例えば先の液晶テレビで言うと、
画素数は3840×2160でPanasonicのものと全く同じです。

ディスプレイに黒色の発色が良くて色のコントラストがハッキリしている
VAパネルを採用している点もPanasonicと同じです。

さらにバックライトには全面にLEDライトを配置して色ムラの少ない
直下型LEDバックライトを使っていることもPanasonicと共通しています。

しかし、黒色の発色が良いVAパネルを採用しているものの黒色の発色が少し悪くて
全体的な色調が良くないという意見が多く見られます。

マクスゼンの液晶テレビは広角視野に対応しておらず、
テレビの画面を斜め方向から見ると画質が悪くなってしまうとのことです。

一人で見るなど常時テレビを正面で見られるなら良いのですが、テレビと他の家具との
位置関係から斜めから見ることがある場合はマクスゼンは注意が必要です。

また最小音量が大きいといった意見も見られ、
人によっては音量が大きすぎると感じることがあるかもしれません。

ただ画質に関しては大手メーカーの最新機種と比べると落ちるだけで、
マクスゼンの液晶テレビ単体では決して悪くはないです。

大手メーカーのテレビでも10年ぐらい前の機種と比べると、
むしろマクスゼンの方が画質は良いぐらいです。

マクスゼンは大手メーカーの一世代前の技術を使っているので、
大手メーカーの最新機種と比べると品質的には落ちます。

しかし大手メーカーの古い機種と比べると品質的にはマクスゼンの方が上ですから、
古い家電の買い替えならマクスゼンを選択肢に入れるのもアリです。

     
   

まとめ

マクスゼンは日本で設立された日本企業で、
親会社のDCMホールディングスも日本企業となっています。

いわゆるジェネリック家電メーカーで価格はかなり安いですが、
ネット通販のみで店舗での販売はほとんど行われていません。

家電は実物を見ながら選びたいという人には不向きですが、
ネットで手軽に購入したい人にとってはマクスゼンはおすすめです。

   
   

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