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MINISFORUMのミニPCはどこの国で生まれたのか?

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この数年で爆発的に人気が出てきている「ミニPC」、
そのミニPCを専門的に作っているメーカーが「MINISFORUM」です。

ミニPCに興味があるけど購入に踏み切れない人に向けて、MINISFORUMが
どこの国のメーカーなのか、どういった特徴があるのかなどを詳しく見ていきましょう。

     
   

MINISFORUMは中国メーカーのブランド

MINISFORUMは中国の香港にある「BESSTAR TECH」という電子機器メーカーの
ミニPCブランドです。

BESSTAR TECHは2012年に「アジアのシリコンバレー」とも言われる
中国の深セン市で設立、現在は香港に本社を置いています。

当初からパソコンやパソコン周辺機器の研究開発を行っていましたが、
現在はミニPCを専門的に作っています。

ミニPCを専門的に作っているメーカーは世界的にも珍しく、
今や「ミニPCと言えばMINISFORUM」と言われるほどの存在です。

ミニPCの生産は中国で

MINISFORUMの工場は世界に3か所あるとのことですが、
日本向けの製品は中国にある工場で作られています。

中国で作られていると聞くと、「MINISFORUMのミニPCは品質が良くないのでは?」
と思う人が居るかもしれません。

しかし「アジアのシリコンバレー」と言われる深セン市を中心に、
中国には世界中の電子機器メーカーの工場が軒を連ねています。

世界有数の技術者と世界最先端の技術が中国に集まっており、
パソコンなどの電子機器において中国製は高品質の証でもあるのです。

またあらゆる人材が集まっているので、研究開発から部品調達、製造、製品テストまで
一貫して中国国内で行うことができます。

外注する必要が無いので、比較的短期間で製造できる上に製造コストが抑えられて
安い価格での提供が可能です。

電子機器に関しては中国製が「安かろう悪かろう」は昔の話で、
今は中国製は「安くてよい物」の代名詞なのです。

MINISFORUMの安全性は?

いくら品質が良くても、
中国製のパソコンにはセキュリティリスクの不安を感じる人も少なくありません。

GoogleでMINISFORUMを検索すると、
第二ワードとして「バックドア」や「怪しい」といったものが出てきます。

ただ実際にMINISFORUMについて調べてみると、
現状ではバックドアが仕込まれているなどセキュリティリスクは報告されていません。

MINISFORUMが比較的安全に使える根拠として、
アメリカでも販売が許可されていることが挙げられます。

アメリカではHUAWEIなどいくつかの中国電子機器メーカーの製品は販売自体が
禁止されています。

役所や国の機関で海外メーカーの電子機器が使用禁止となることは少なくありません。

しかしアメリカのような自由主義経済の国で、
特定メーカーの製品を販売禁止とするのは珍しいです。

実際にHUAWEIの製品にバックドアが仕込まれているかどうかは分かりませんが、
中国政府や中国軍とHUAWEIが近しい関係にあるのは事実です。

MINISFORUM製品の販売が許可されているということは、現状ではHUAWEIの
ような危険性は無いとアメリカでは考えられているということになります。

中国企業だけに将来的には中国政府や中国軍の影響を受ける恐れはあるものの、
現状ではMINISFORUMは安全に使えると言って良いのではないでしょうか。

MINISFORUMのミニPCの特徴

MINISFORUMのミニPCの最大の特徴と言えるのが「価格の安さ」です。

いわゆる「タワー型」と言われる本体のみでディスプレイやキーボードが
別になっているタイプのパソコンは、性能がそこそこでも10万円前後はします。

MINISFORUMのミニPCは、高性能なハイエンドモデルは10万円を超えますが、
性能がそこそこなエントリーモデルなら2万円台からとなっています。
(参照:https://store.minisforum.jp/collections/all-product)

ミドルクラスの性能でも10万円以内に収められるので、
一般的なタワー型のパソコンと比べるとかなりリーズナブルです。

モバイルパソコンより高性能

ミニPCはコンパクトなだけに性能も大したことがないと思われがちですが、MINISFORUMのミニPCはモバイルパソコンより高性能となっています。

一番安い2万円台の機種でもメモリが8GBでストレージ(SSD)が256GB、
10万円を超えるハイエンドモデルだとメモリ64GBでストレージ(SSD)は1TBです。

2023年現在、ノートパソコンでもメモリ8GBは普通で、
16GBでないと使い方によっては動作が重くなると言われています。

しかし安いエントリーモデルのノートパソコンやモバイルパソコンだと、
メモリが4GBという機種も少なくありません。

MINISFORUMのミニPCはコンパクトでありながらメモリは8GBですから、
普通に使う分には全く問題が無い性能なのです。

ハイエンドモデルだとメモリが64GBありますから、
多少のことでは動作が重くなる心配がありません。

MINISFORUMのミニPCは価格並みの性能ではなく、
価格以上の性能ですからこの数年で人気が爆発的に上がっているのも納得です。

メモリ増設は難しい

MINISFORUMのミニPCはカスタマイズできないことはありませんが、
メモリを増設することは難しくなっています。

デスクトップパソコンでもノートパソコンでも、
メモリパーツを取り替えることで8GBから16GBなどメモリを増強できます。

機種によってはメモリパーツを差し込むスロットに空きがあって、
8GB+8GBといったようにメモリの増設も可能です。

MINISFORUMのミニPCも機種によっては空きスロットが設置されているので、
メモリの増設は一応できるようになっています。

しかし実際にメモリを増設すると起動不具合を起こすことがあり、
メモリの増設が難しい仕様となっているようです。

購入後にメモリを増設するなどしてパソコンを「育てよう」と考えている場合、
MINISFORUMのミニPCは慎重に検討した方が良いかもしれません。

ちなみにストレージの増設も可能で、こちらは増設しても不具合は発生しません。

冷却ファンの音は大きくない

MINISFORUMのミニPCは、
冷却ファンの音がそれほど大きくないことも高評価の一因となっています。

ミニPCは必要なパーツを小さい本体に収めているため、
タワー型のデスクトップパソコンと比べると内部に熱がこもりやすいです。

パソコンのパーツは熱に弱いので冷却ファンで内部に熱がこもらないようにしますが、
一般的にミニPCは冷却ファンの音が大きくてうるさいとされています。

実際に通販サイトなどのミニPCのレビューを見ると、
「冷却ファンがうるさい」という意見が少なからず見られます。

MINISFORUMのミニPCにも冷却ファンが付いており、
作動中は多少の音が出ますが「うるさい」と感じることはありません。

ユーザーによると「エアコンの音でかき消される程度の音」で、
それほど気にならないとのことです。

長時間使用していると冷却ファンの音が大きくなるものの、
それでも「うるさい」と感じるほどではないです。

     
   

そもそもミニPCってどんなもの?

ここまでミニPCを知っている前提でMINISFORUMについて話しましたが、
ひょっとするとミニPCがどんなものか分からない人も居るかもしれません。

ミニPCは簡単に言うと「小型のデスクトップパソコン」です。

一般的なタワー型のデスクトップパソコンと比較すると思っているよりも小さくて、
機種によっては手のひらに乗るぐらいの大きさです。

例えばMINISFORUMの最新機種である「UM690S」は幅と奥行きが約12cm、
高さが約5cmです。
(参照:https://store.minisforum.jp/collections/all-product/products/minisforum-um690s)

市販されている納豆のパックが10cm四方の正方形で高さ3cmですから、
納豆のパックよりも少し大きいだけですから手のひらに乗ります。

大きい機種でも20cm四方ぐらいですから、
一般的なWi-Fiルーターより小さいぐらいです。

タワー型のデスクトップパソコンは場所を取りますが、
10~20cm程度のミニPCなら置き場所に困りません。

ディスプレイの後ろに置くと全く見えなくなるので、
どんな内装の部屋に置いても雰囲気を壊すことがないです。

パーツの小型化で性能がアップ

ミニPC自体は最近開発されたものではなく昔からありますが、
これまでは性能が一般的なデスクトップパソコンより大きく劣っていました。

高性能なノートパソコンにすら及ばない性能であったためメインで使うことは難しく、
特定の作業をするためのサブの位置付けでしかありませんでした。

しかしノートパソコンやモバイルパソコンの進化によってメモリを始めとしたPCパーツが
小型化されたことで、現在のミニPCはメインとしても使える性能となっています。

MINISFORUMの最新機種UM690sには、
CPUとして「AMD Ryzen9 6900HX」が搭載されています。

ベンチマークスコアは24850でミドルクラスではあるものの、
事務作業でのマルチタスクはもちろん3Dゲームもサクサク動く能力を擁しています。

ディスプレイやキーボードは別で用意

ミニPCは小型のデスクトップパソコンですから、
ノートパソコンのようにディスプレイやキーボードは付属していません。

デスクトップパソコンの買い替えならディスプレイやキーボードは使い回せますが、
新規購入だと別途ディスプレイやキーボードも購入する必要があります。

ミニPC自体は安いものの、ディスプレイやキーボードにこだわるとノートパソコンより
高額になることも十分に考えられます。

まとめ

MINISFORUMは香港に本社を置く中国メーカーで、
日本向け製品のほとんどを中国で作っています。

現状ではセキュリティリスクは報告されていませんし、
ミニPCメーカーとしてはトップクラスです。

MINISFORUMを外すと選択肢がかなり限られてしまうので、
ミニPCの購入を検討しているならぜひMINISFORUMを選択肢に入れてみてください。

   
   

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