固定電話の知識

固定電話解約にデメリットなしって本当?

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最近は固定電話を使っている人が減ってるって言われてるけど、
実際には自宅に固定電話があるという人もまだまだ多いんじゃないかしら。

でも固定電話にかかってくるのって、親からか勧誘の電話ばっかりだったりするよのね。

だからいっそのこと固定電話を解約しちゃいたいんだけど、いざ解約するとなると
何か不便なことになるんじゃないと思って二の足を踏んじゃったりします。

確かに10年ぐらい前までなら固定電話解約にはそれなりにデメリットがあったけど、
現在は固定電話解約にほとんどデメリットなんて無いの。

じゃあ本当に固定電話解約にデメリットが無いのか、詳しく検証するよ!

     
   

固定電話解約のデメリットとは

固定電話を解約するデメリットとしては
 ・社会的な信用が無くなる
 ・FAXが使えなくなる
 ・災害時に困る
 ・子供の学校連絡が不便になる
 ・固定電話解約を周りに知らせるのが面倒
といったことが挙げられます。

先に挙げた項目を見ただけで「大したデメリットじゃないじゃん」と思うものもあれば、
「結構大きなデメリットじゃない?」と思うものもあるよね。

じゃあそれぞれのデメリットの内容と、
現在はそのデメリットがデメリットじゃなくなっている理由を説明していくよ。

固定電話が無いと社会的に信用されない?

まず1つ目の「社会的な信用が無くなる」だけど、
今から40年ぐらい前までは固定電話を使っていることが1つのステータスだったわ。

自宅に固定電話を引くには「電話加入権」というものが必要で、
この電話加入権は70,000円以上払わないと手に入らなかったの。

しかも1983年(昭和58年)までは電話加入権が利子付きの債権だったりしたから、
NTTやその前身の電電公社に高額で買い取ってもらえたのよ。

電話加入権に資産としての価値があったから、固定電話を使っていることが
1つのステータスとなって社会的な信用を得ることができたんですね。

でも現在の電話加入権は単なる施設設置負担金でNTTの債権じゃないから、
NTTに高額で買い取ってもらえないわ。

電話加入権を買い取ってくれる民間の業者はあるけど、
買取価格はせいぜい2,000円程度で、電話加入権に資産としての価値はもう無いのよ。

だから現在では固定電話を使っていることがステータスにならないし、
社会的な信用を得ることには繋がらないってわけ。

固定電話が無くてもクレジットカードやローンの審査に通る

固定電話の社会的な信用で言うと、
固定電話が無いとクレジットカードやローンの審査で不利って聞いたことないかしら?

確かに以前は固定電話が無いとクレジットカードやローンの審査で
不利になることもあったけど、現在じゃそんなことはほとんどないわ。

クレジットカードやローンの審査では、申込者の
 ・職業
 ・勤続年数
 ・収入
などに点数を付けて、
合計が一定点数以上に達すればパスできる仕組みになっていたりするの。

電話番号にも点数が付いていて、携帯電話番号よりも固定電話番号、
固定電話番号だけよりも携帯電話番号と固定電話番号の両方を持っている方が
点数が高くなります。

でも、当然だけどクレジットカードやローンの審査で電話番号よりも職業とか勤続年数、
収入の方が重要視されるのよね。

また貸金業法が改正されたことで、
20時から翌9時までは督促の電話がかけられなくなっているの。

だから最近はクレジットカードやローンの審査でも、
連絡の付きにくい固定電話はあまり重要じゃなくなってるってわけなのね。

現代人はFAXが使えなくても問題無し

2つ目の「FAXが使えなくなる」だけど、
個人事業主ならともかく家庭でFAXが使えないのは大したデメリットじゃないよね。

実際FAXの世帯普及率は30~35%程度で、ほとんどの家庭でFAXは使ってないから、
固定電話解約でFAXが使えなくなっても全く問題ありません。

今はメールで画像や動画が送れるし、
仕事で取引相手にデータを送るのでもFAXはあまり使わないよね。

固定電話は災害に強い?

次の「災害時に困る」は、
一般的に固定電話は携帯電話やスマホに比べて災害に強いと言われているの。

NTTのアナログ電話は電話線から電気が供給されているので、災害が発生して
停電になっても電話線が生きていれば電話をかけたり受けたりできます。

一方携帯電話やスマホは停電すると充電ができないから、バッテリーが切れた時点で
役に立たなくなる、だから固定電話の方が災害に強いって言われるわけ。

でも災害時には、電信柱が倒れて固定電話が使えなくなったけど、携帯電話の
基地局は無事で携帯電話やスマホは使えるって状況も十分にありえるよね。

一概に固定電話の方が災害に強いとも言えないから、
これも固定電話解約のデメリットとしては弱いです。

東日本大震災時には固定電話があって良かったという意見も

一概に固定電話の方が災害に強いとは言えないんだけど、
東日本大震災の時は固定電話があって良かったと言う意見もあるの。

東日本大震災が発生してからしばらくは、
公衆電話や固定電話は繋がるけど携帯電話は繋がらない状態だったんだとか。

震災が発生した翌日に修学旅行に行っていた子供が帰ってきたんだけど、固定電話を
使っていたおかげで、すぐに連絡が付いて早く迎えに行くことができたんですって。

固定電話を使っていない親にはなかなか連絡が付かず、
先生が直接自宅を訪ねるなどして子供を親に引き合わせるのに苦労したとのことです。

東日本大震災という記憶に新しい大災害時に固定電話が役に立ったって話を聞くと、
固定電話解約にデメリットなしの気持ちがちょっと揺らいじゃうわね。

今どきの子供の学校連絡はメール一斉送信

次の「子供の学校連絡が不便になる」だけど、
今どきの学校連絡はメールの一斉送信で行われることが多いわ。

クラスの連絡網があって、学校からの連絡を順番に回していくなんてのは
親世代が子供だった頃の話で、今はそんなことやってないの!

だから固定電話を解約したからって、
学校からの重要な連絡が回ってこないなんてこともないのよ!

また昔に比べると共働き世帯が増えて、学校の先生が生徒の家に電話をかけても
親が出ないなんてことが当たり前になっています。

だから学校側としても、連絡の付きにくい固定電話番号よりも連絡の付きやすい
携帯電話番号を登録してもらっている方が便利なのよね。

子供同士の連絡は取りにくくなるかも

固定電話を解約しても子供の学校連絡には支障は無いけど、
子供にとっては固定電話解約が大きな支障となる可能性はあるわ。

高校生は90%以上、中学生でも80%以上が自分用のスマホ・携帯電話を
持っているけど、小学生だと6年生でも約3割、1年生だと約6割が自分用の
スマホ・携帯電話を持っていないの。

自分用のスマホ・携帯電話を持っていない小学生が帰宅後に友達と連絡を取るには、
親にスマホ・携帯電話を借りるか家の固定電話を使うしかありません。

共働きで父母ともに日中は家に居なくて家に固定電話も無いとなると、
自分用のスマホ・携帯電話を持っていない子供は友達と連絡を取る手段が
無くなっちゃうのね。

だから子供の居る家庭で固定電話解約を考えているなら、
子供にスマホ・携帯電話を持たせることも同時に検討してあげなきゃダメよ。

固定電話解約後にアナウンスを流してくれるサービスがある

「固定電話解約を周りに知らせるのが面倒」な場合は、解約後の一定期間固定電話を
解約したことを案内するアナウンスを流すサービスを利用すればOKよ。

NTTでは、固定電話を解約してから3か月程度の間、それまで使っていた
固定電話番号に着信があった場合に固定電話解約を知らせるアナウンスを流す
サービスを行っています。

だから固定電話番号しか教えていない知り合いに固定電話解約を知らせるだけで、
携帯電話番号も教えている知り合いには連絡する必要が無いの。

そもそも固定電話しか教えてない知り合いから電話がかかってくることなんて、
ほとんど無いよね。

固定電話を解約して連絡が取れなくなったとして、共通の知り合いを辿れば、
また連絡が取れるようになるわ。

固定電話解約後に電話番号の登録変更は忘れずに

クレジットカードや保険などの申し込み、電気・ガス・水道の連絡先として
固定電話番号を使っている場合は、固定電話解約後に登録変更が必要ね。

クレジットカードが不正利用された場合など、何かトラブルが発生して至急連絡を取る
必要がある場合は、登録された連絡先に電話が入ります。

だから固定電話を解約したのに電話番号の登録を変更しないと、
大事な連絡が入ってこなくなる恐れがあるの。

レンタルショップやネットショップなど特に必要無い場合もあるけど、
固定電話を解約すると登録変更が必要になるのはちょっとしたデメリットと言えるわ。

固定電話解約のメリット

固定電話を解約するメリットとしては
 ・通信費が安くなる
 ・不要な電話がかかってこなくなる
といったことが挙げられるよ。

固定電話の料金とスマホ・携帯電話の料金を比較すると、
スマホ・携帯電話の方が高いと思っている人も多いんじゃないかしら。

スマホ・携帯電話の料金にはインターネットを使うための「データ通信料」が
含まれているから、金額的に固定電話よりも高くなっているだけです。

通話にかかる料金だけで比較すると、
むしろ固定電話よりもスマホ・携帯電話の方が安いぐらいなの。

それからスマホ・携帯電話が主流となった今、
固定電話にかかってくる電話の多くは勧誘電話よね。

勧誘電話以外にも最近はなりすまし詐欺とか犯罪に関わる電話もかかってくるから、
固定電話を解約することでこういった電話がかかってこなくなるのはメリットですよ。

通話料は固定電話よりスマホ・携帯電話の方が安い

一般的に普及し始めた頃から携帯電話を使っている40代以上の人たちは、
「スマホ・携帯電話は通話料が高い」というイメージを持っているはず。

でも現在では、
固定電話よりもスマホ・携帯電話の方が実質的な通話料は安くなっているの。

スマホ・携帯電話には通話定額のオプションがあり、大手携帯キャリアだと
 ・ドコモ・・・かけ放題オプション 1,700円
5分通話無料オプション 700円
 ・au・・・通話定額 1,700円
通話定額ライト(1回5分以内の通話無料) 700円
 ・ソフトバンク・・・定額オプション+ 1,800円
準定額オプション+(1回5分以内の通話無料) 800円
で利用できるわ。

格安SIMでも、月800円程度の料金で1回5分以内の通話が無料になるオプションが
使える場合が多くなっているわ。

固定電話の基本料金とスマホ・携帯電話の通話定額オプションは同じぐらいの
金額だから、固定電話を解約して通話定額オプションを付けても固定通信費は
変わらないの。

ただ通話料が無料になる分、スマホ・携帯電話に通話定額オプションを付ける方が
全体の通信費は安く抑えられます。

固定電話を解約すれば勧誘電話がかかってこない

固定電話を解約すれば、勧誘電話に対応する必要が無くなるわ。

共働き家庭の両親が居ない時間帯を狙って電話をかけてきて、
子供に対して塾や教材の勧誘を行うの。

巧みに子供から「塾に行きたい」「教材を使いたい」という言葉を引き出して、
後日親が居る時間帯に電話をかけ直してきて「お子さんも行きたい・使いたいと
言っている」と言って契約を迫るなんてこともあるのよね。

私は小学生の時にこの手にまんまと乗せられて、
危うく高額な教材を買わされそうになったことがあったわ。

後日同じ業者からかかってきた電話に対する母親の「要らない」の一言で事なきを
得たけど、その後母親に「怪しい電話に安易に返事するな」とこっぴどく叱られたわ。

勧誘電話は子供をターゲットにしてくるから、
子供の居る家庭にとっては勧誘電話がかかってこないことは小さくないメリットね。

固定電話を解約することで犯罪に巻き込まれる危険性が減る?

最近は固定電話を利用した
 ・なりすまし詐欺
 ・給付金詐欺
といった犯罪も多いわよね。

それに「アポ電強盗」なんて怖い事件も起こっているし、
固定電話に電話をかけて留守であることを確認する空き巣も居るんだって。

こういった固定電話を利用した犯罪のターゲットは高齢者とは限らないから、
固定電話を解約することで犯罪に巻き込まれる危険性を減らすことができるわ。

     
   

固定電話は解約したい、でも市外局番で始まる固定電話番号は使いたい

固定電話は要らないけど、「03」など市外局番で始まる固定電話番号は
使いたいなんてことはあるんじゃないかしら。

個人事業主など個人で商売していると、こう思っている人は多いはずよね。

実は固定電話が無くても、
スマホで市外局番で始まる固定電話番号を使うことはできるよ。

「03plus」とか「いえでん」といったサービスを利用すれば、
スマホで市外局番から始める10桁の電話番号が使えるようになるの。

専用のアプリを使ってスマホから発信すれば、
相手側には「03」など市外局番で始まる固定電話番号が表示されるわ。

また自分に割り当てられている市外局番から始まる番号に電話がかかると、
ちゃんとスマホに着信する仕組みになってるよ。

基本料金は月1,000円程度で、通話料は固定電話と変わらないから、
固定電話よりお得です!

スマホで市外局番で始まる固定電話番号が使える地域が限られている

03plusやいえでんを使えば、
誰もがスマホで市外局番から始まる固定電話番号が使えるってわけじゃないの。

実は利用できる地域が限られてて、いえでんは東京都内で市外局番が03から始まる
地域に住んでいる人しか利用できません。

03plusは一応全国で使えるんだけど、東京や大阪以外は基本的に県庁所在地である
都市部ぐらいでしか市外局番で始まる番号が使えないのよね。

ちなみに市外局番で始まる番号が使えない地域で03plusを利用すると、
「050」で始まるIP電話番号が割り当てられるよ。

03plusやいえでんは緊急通報ができない

03plusやいえでんで割り当てられた市外局番で始まる電話番号からは、
「110」や「119」といった緊急通報ができません。

携帯電話やひかり電話でも、フリーダイヤルとか伝言ダイヤルとか使えない電話番号は
あるんだけど、110とかの緊急通報はできるわ。

もし03plusやいえでんを利用する場合でも、
電話を03plusやいえでんに一本化するのは危険です。

何かあった時には緊急通報ができるように、03plusやいえでんを利用するなら、
スマホは音声通話付きのプランを使わなきゃダメよ!

光回線を使っているならひかり電話を使うのもアリ

自宅のインターネット回線が光回線だったら、
NTTのアナログ電話の代わりに「ひかり電話」を使う方法もあるわ。

ひかり電話は光回線を使った音声通話サービスなんだけど、
感覚的にはNTTのアナログ電話と全く同じように使えるの。

アナログ電話の電話番号をそのまま引き継ぐことができるし、
電話機だって買い替える必要無し。

それで基本料金は月500円程度だし、通話料はアナログ電話より安いからお得です!

光回線を乗り換える際には注意が必要

ひかり電話はアナログ電話に比べてお得なんだけど、
光回線を乗り換える際には注意が必要よ。

ひかり電話は光回線のオプションだから、
光回線を乗り換えると必然的にひかり電話も乗り換えることになるわ。

ただ乗り換えるだけなら問題ないんだけど、
ひかり電話からひかり電話へは電話番号が引き継げないことがあるの。

NTTのフレッツ光からドコモ光などの光コラボに乗り換える「転用」の場合は、
ひかり電話の電話番号は引き継げるわ。

ドコモ光からソフトバンク光のような光コラボ同士や光コラボからフレッツ光へ乗り換える
「事業者変更」でも電話番号の引き継ぎは可能よ。

でも
 ・NURO光
 ・auひかり
 ・コミュファ光
 ・eo光
 ・ピカラ
 ・MEGA EGG
 ・BBIQ
といった光回線が絡む乗り換えではひかり電話の電話番号は引き継げません。

例えばフレッツ光⇔NURO光、auひかり⇔eo光などの乗り換えでは、
ひかり電話の電話番号が変わっちゃうのよ。

だからひかり電話を利用する場合は、
将来的に光回線を乗り換える時のことも考えておかないといけないわ。

アナログ電話って何?

アナログ電話は固定電話の1つで、
簡単に言うと「アナログ信号」を使って音声通話をする電話や電話回線のことよ。

この20~30年で色んなものがアナログからデジタルに生まれ変わったけど、
固定電話はまだまだアナログ電話を使っている人が多いんです。

IP電話やひかり電話を使っていないなら、
自宅の固定電話はアナログ電話の可能性が高いわ。

40代以上で「黒電話」を使ったことがある人は、
「アナログ電話=黒電話」というイメージが強いかもしれないわね。

確かに黒電話はアナログ電話の象徴みたいなものだけど、
プッシュホンもアナログ電話の1つなのよ。

アナログ電話を使うには電話加入権が必要?

かつてはアナログ電話の利用には電話加入権が必要だったんだけど、
現在は電話加入権が無くてもアナログ電話を使うことは可能できるわ。

電話加入権なしでアナログ電話を使うには
 ・ライトプラン
 ・直収電話
という2つの方法があるの。

「ライトプラン」はNTTのアナログ電話プランの1つで、
電話加入権なしでもアナログ電話が設置できます。

電話加入権ありの場合と通信品質も通話料も変わらないんだけど、
電話加入権ありの場合に比べてライトプランは基本料金が月250円高いの。

「直収電話」はNTT以外の通信会社が提供するアナログ電話サービスのことよ。

以前は直収電話にも色々選択肢があったんだけど、
現在はソフトバンクの「おとくライン」ぐらいしか残っていないわ。

基本料金も通話料もNTTのアナログ電話より安いから、
固定電話をよく使うならNTTのアナログ電話より直収電話の方がお得です。

電話加入権って何?

電話加入権は正式には「施設設置負担金」と言い、
アナログ電話を設置するために利用者がNTTに払う負担金のことなの。

戦後、NTTの前身である電電公社は電話線を中心とした通信網の復旧・整備に
取り掛かったわ。

でも敗戦後だったから電電公社には全国に電話線を整備する資金なんて無いし、
国に補助を求めようにも国にもお金が無かったの。

そこで電電公社は、一般の人に固定電話を利用する権利を与える代わりに電話線を
整備する資金の一部を負担してもらうことにしたんです。

施設設置負担金を払うことで固定電話を利用する権利が得られたので、
施設設置負担金のことを電話加入権と呼ぶようになったわけ。

現在は全国にNTTの通信網が張り巡らされているから、
施設設置負担金はアナログ電話の開通工事費といった意味合いが強くなっているわ。
(新規でアナログ電話を開通する場合には基本的に工事費は発生しない)

アナログ電話にはダイヤル回線とプッシュ回線がある

アナログ電話には
 ・ダイヤル回線
 ・プッシュ回線
の2種類があるの。

「ダイヤル回線」は黒電話のようにダイヤルを回して電話をかける回線で、
「プッシュ回線」はプッシュホンのように番号をプッシュして電話をかける回線と
思ってない?

全くの外れってわけじゃないんだけど、正確には「パルス信号」を使うのが
ダイヤル回線で、「トーン信号」を使うのがプッシュ回線なの。

黒電話でプッシュ回線は使えないけど、プッシュホンでダイヤル回線を使うことは
できるから「ダイヤル回線=黒電話」は間違いよ。

電気信号が1回途切れたら「1」、2回途切れたら「2」、9回途切れたら「9」といったように、
電気信号が途切れた回数で数字を判別しているのが「パルス信号」です。

0~9の数字1つずつに違う周波数の音を割り当てて、
ボタンを押したときの音で数字を判別するのが「トーン信号」なのね。

トーン信号を使うプッシュ回線の方がちょっとだけ電話が繋がるのが早いだけで、
ダイヤル回線とプッシュ回線に良し悪しは特に無いわ。

もうすぐアナログ電話は使えなくなる!?

実はNTTは2025年までに、現在のアナログ電話の回線である「メタル回線」を全て
「IP網」に切り替えることを予定しています。

2024年から順次IP網への切り替えが始まって、
2025年1月には全国の固定電話回線がIP網になる予定なの。

メタル回線がIP網に切り替わるとアナログ電話が使えなくなる、
と現状アナログ電話を使っている人は不安になるわよね。

確かに将来的にはアナログ電話は使えなくなるんだけど、2025年までに
アナログ電話をIP電話やひかり電話にしなきゃいけないってわけじゃないわ。

NTT側の設備に変換装置を設置して、当面の間はアナログ電話が
そのまま使えることになっているの。
(申し込みなんかは不要)

ただずっとこの措置が続くわけじゃないから、
現状アナログ電話を使っている人は今の内から解約かIP電話・ひかり電話への
乗り換えを検討しておかないといけないわね。

メタル回線をIP網に切り替える理由は?

アナログ電話で使うメタル回線をIP網に切り替える理由は
 ・NTTのアナログ電話利用者数の減少
 ・アナログ電話の交換機の老朽化
などが挙げられます。

そもそも固定電話の利用者数が減り続けていて、
2010年からの10年間で半減しているの。

さらに固定電話の利用者の中でNTTのアナログ電話を使っている人も減っていて、
2013年にはIP電話の利用者数がNTTのアナログ電話の利用者数を
上回っちゃったのね。

そこで基本的に音声通話にしか使えないメタル回線を音声通話以外にも使える
IP網に切り替えて、固定電話にかかるコストを減らそうってわけ。

もう1つはアナログ電話の交換機が老朽化していて、交換機はもちろん交換機に
使われている部品も生産が終了しているので新しいものに交換することができないの。

これは「卵が先か鶏が先か」で、メタル回線をIP網に切り替えるから
アナログ電話の交換機やその部品の生産を止めたとも言えるんだけどね。

「アナログ電話が使えなくなる」と不安を煽る電話には要注意

2020年代に入ってメタル回線がIP網に切り替わるのが近付いてくると、
「もうすぐアナログ電話が使えなくなりますよ~」って不安を煽る勧誘電話が増えるわ。

この手の勧誘電話は光回線の代理店がかけてくることが多いんだけど、
「NTT」とか「au」とか有名な通信会社の名前を平気で使ってくるから気を付けてね。
(「auの○○」と名乗ったり、「NTTから依頼されて」と言ったりする」

言い方は悪いけど、NTTとかauが「ひかり電話に切り替えないと固定電話が
使えなくなりますよ」なんて親切に電話なんてかけてきません。
(せいぜいDMを送ってくるぐらい)

先にも書いたように、2025年までにアナログ電話の回線であるメタル回線がIP網に
切り替わるのは事実ですが、2025年以降も当面はアナログ電話がそのまま使えます。

悪どい代理店は無知に付け込んでくるから、
アナログ電話に関する勧誘電話がかかってきた時は
「2025年以降もアナログ電話はしばらく使える」ということを頭に入れて対応してね。

IP電話とひかり電話って何が違うの?

固定電話の種類に「IP電話」と「ひかり電話」ってあるけど、
この2つの違いって分かるかしら?

IP電話はADSL回線を使った固定電話サービスで、
ひかり電話は光回線を使った固定電話サービスとしている場合があるわ。

でも、IP電話はインターネット回線を使った固定電話サービス全般のことで、
ひかり電話は光回線を使った固定電話サービスでIP電話の1つといった考え方も
あるの。

さらにIP電話はプロバイダが提供するインターネット回線を使ったサービスで、
ひかり電話は光回線事業者が提供する光回線を使ったサービスという意見もあるわ。

NTTの公式サイトでひかり電話のことを「光IP電話」と表現しているから、2つ目の
 ・IP電話=インターネット回線を使った固定電話サービス全般
 ・ひかり電話=光回線を使った固定電話サービスでIP電話の1つ
というのが現状でのIP電話とひかり電話の違い定義と言って良いんじゃないかしら。

電話番号の違い

実用面でIP電話とひかり電話の違いを挙げるとすると、
1つには「電話番号」の違いがあるわ。

IP電話では基本的に「050」で始まる11桁の電話番号を使うんだけど、
ひかり電話だと「03」とか「06」とか市外局番で始まる10桁を使うこともできるの。

NTTのアナログ電話からひかり電話に乗り換える場合には、
アナログ電話で使っていた電話番号をひかり電話に引き継ぐことが可能よ。

アナログ電話を使っていなくて新規でひかり電話を開通した場合でも、
市外局番で始まる10桁の番号を割り当ててもらうことができます。

しかしアナログ電話からIP電話に乗り換える際には、
アナログ電話で使っている電話番号をIP電話に引き継ぐことはできないわ。

IP電話やひかり電話には繋がらない電話番号がある

NTTのアナログ電話からだと普通に繋がるけど、
IP電話やひかり電話からかけると繋がらない電話番号があるの。

例えばIP電話だと「0120」で始まるフリーダイヤル、
「0570」で始まるナビダイヤルなどは繋がらないし、
 ・110(警察)
 ・119(消防署)
 ・104(番号案内)
 ・115(電報)
 ・117(時報)
 ・177(天気予報)
といった局番無し3桁の番号にはほとんど繋がらないわ。

フリーダイヤルと番号案内に繋がらないのはともかく、
「110」「119」といった緊急通報ができないのは厳しいよね。

ひかり電話も繋がらない番号はあるんだけど、ひかり電話が繋がらない番号は
一般的にはほとんど利用しないものが多いの。

フリーダイヤルやナビダイヤルはひかり電話からでも繋がるし、
緊急通報はもちろん番号案内や電報なんかもひかり電話では利用できるわ。

だから使えない電話番号が多くて、
緊急通報もできないIP電話の方が固定電話として使うにはちょっと不便ね。

FAXを使うには固定電話が必要?

FAXを使うから固定電話は解約できないと思っている人も多いけど、
実は固定電話が無くてもFAXが使えるサービスがあるの。

「eFax」というサービスを使えば、メールを送受信する要領で、
スマホやパソコンでFAXが送受信できるんです。

月額1,500円と固定電話の基本料金とほとんど同じ金額だから、
固定電話を解約してeFaxを利用しても通信費が高くなることはないわ。

またeFaxは送受信ともに月150枚まで無料だから、
FAXの送受信料を考えると固定電話よりもeFaxの方がお得よ。

固定電話を解約して再契約すると料金が高くなったりしない?

固定電話を解約して再契約したからと言って、
基本料金や通話料が高くなるなんてことは絶対に無いわ。

ただ解約した際に電話線まで撤去していると、再契約の際に電話線の開通工事費が
発生するから初期費用は多少かかるかもしれない。

また固定電話を解約した時点で電話番号を使う権利も消滅しているから、
再契約しても前に使っていたのと同じ電話番号を使うことは難しいわ。

自宅で光回線を使っているなら、アナログ電話を再契約するより、
オプションのひかり電話を使った方がお得よ。

ローンなど各種契約で固定電話番号が必要になることってないの?

以前は固定電話番号が無いとクレジットカードやローンの審査で不利になることは
ありましたが、現在ではそういったことはありません。

クレジットカードやローンなどの審査では、電話番号よりも
 ・職業
 ・勤続年数
 ・収入
といった返済に直結する情報の方が重要視されるの。

さらにいつでも連絡が取れるってことで、最近では携帯電話番号の方が
固定電話番号よりも重宝されるようになってきているわ。

   
   

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